2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17067017
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西出 宏之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90120930)
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Keywords | 共役高分子 / らせん高分子 / ヘリセン / スルホニウム / 導電性 / 分子配向 / ポリイオンコンプレックス |
Research Abstract |
1.巻き性制御されたポリ(チアヘテロヘリセン)の合成 2-メチル-1,3-フェニレンビスボレート、1,3-ジブロモ-4,6-ビス(3-ドデシロキシ-2-ブチルプロピルチオ)ベンゼンの両モノマーを合成、Pd触媒を用いて重合し、光学活性アルキルチオ置換ポリ(1,3-フェニレン)を得た。側鎖を定量的に酸化してスルホキシド体を合成、強酸によりスルホニウム化、硫黄原子への求核置換反応より分子内で閉環し、ポリスルホニウム体とした。ピリジン塩基性条件下にてアルキル基を脱離、分子量高くポリ(チアヘテロヘリセン)を合成した。 2.ポリイオンコンプレックス形成による共役らせん高分子の巻き性制御 2位にヒドロキシル基を有するポリ(1,3-フェニレン)はキラルアミンの添加に伴いCD吸収が増大、1H NMR、IR吸収の変化から、ヒドロキシル基とアミン間の相互作用を示した。Menschutkin反応より重合したポリキラルアンモニウム塩と混合すると、静電相互作用により両ポリマーが近接、溶液中で安定なポリイオンコンプレックスを形成した。キラルアンモニウム塩の巻き性によりポリ(1,3-フェニレン)のCDスペクトルが反転、巻き性の制御が可能であることを見出した。 3.ポリ(チアヘテロヘリセン)の物性評価 側鎖にドデシル基を導入したポリ(チアヘテロヘリセン)膜は中心に剛直ならせん、側鎖に柔軟なアルキル基を有するため自己組織的に配向し、偏光顕微鏡像が観測された。キャスト溶媒を選択することにより異なる偏光顕微鏡像が得られ、アセトンからキャストした膜は、一軸配向性が示唆された。またヨウ素ドープしたヘリセン膜はESR測定よりラジカルの生成が明らかとなり、ヨウ素ドープ後の電気伝導性はドープ前と比較して数十倍上昇した。 上記成果をもとに、19年度は共役ポリマーの合成を進め、階層構造と機能の相関に踏み込むべく計画している。
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Research Products
(4 results)