2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17067017
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西出 宏之 Waseda University, 理工学術院, 教授 (90120930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 一郎 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (80454065)
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Keywords | 高分子合成 / 高分子構造・物性 / 電子・電気材料 / ナノ材料 / スピンエレクトロニクス |
Research Abstract |
ベンゾチオフェンおよび芳香族フェニレンビニレン、トリフェニレン化合物を位置選択的に還元重合し、精密に制御された分子構造を有するポリマーを合成、階層的なπ共役系を介した有機不対電子の振る舞いを、電子移動過程や多スピン間の交換相互作用として解析、共役ポリマーの高次構造と電子状態の相関をもとに、新しい電磁気、光磁気機能に踏み込むことを、本研究は目的とし、次の成果を得た。 (1)ポリ(1,3-フェニレン)の巻き性制御2位にヒドロキシル基を有するポリ(1,3-フェニレン)と、鋳型となるポリキラルアンモニウムのポリマーコンプレックスを形成させ、ポリ(1,3-フェニレン)主鎖のらせん構造を誘起した。円偏光二色性スペクトルではポリアンモニウムのキラリティに依存してCotton効果が反転し、ポリ(1,3-フェニレン)の巻き性制御を明らかにした。 (2)ポリイオンコンプレックスの構造解析二次元NMR測定よりポリイオンコンプレックスのらせん構造とその誘起の機構を明らかにした。NOESY法により両ポリマー帰属のプロトン同士の相互作用を明らかにし、静電相互作用による安定なポリイオンコンプレックスの形成を実証した。DOSY法では、コンプレックスの分子量検出に成功し、両ポリマーが1分子ずつでコンプレックスを形成することを明らかにした。 (3)高スピンラジカル超分子の構築長鎖アルキル基を置換した四重項分子トリス(アミニウム)トリフェニレンを合成し、剪断力印加による配向を偏光顕微鏡で観察した。SQUID磁化測定では分子間での磁気的相互作用を明らかにした。四重項分子を縮合して生成する芳香族アミニウム高分子を結合位置を設計して合成し、擬2-3次元共役構造を明らかにした。 上記成果をもとに、20年度は共役ポリマーの合成を進め、階層構造と機能の相関をとりまとめるべく計画している。
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Research Products
(10 results)