2008 Fiscal Year Annual Research Report
偏光双安定面発光半導体レーザを用いた全光型信号処理
Project/Area Number |
17068003
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河口 仁司 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 教授 (40211180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 健夫 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (80313360)
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Keywords | 面発光半導体レーザ / 光双安定 / 全光型信号処理 / 全光型フリップ・フロップ / シフトレジスタ / バッファメモリ / フォトニックネットワーク / 光通信 |
Research Abstract |
面発光半導体レーザ(VCSEL)の発振偏光の双安定性によるメモリ機能とAND/ORゲート機能を用いた全光型信号処理を研究した。本年度は、1つのVCSELにRZ光信号の"0"か"1"を1ビットずつVCSELの発振偏光0°又は90°として記録し、必要なタイミングにあわせ時系列信号として記録信号を読み出すことができる光バッファメモリについて検討した。具体的内容は、 (1)前年度に試作した1.55μm帯偏光双安定VCSELを用いて、1ビット全光型バッファメモリ動作を実現するとともに、偏光双安定VCSELを2個並列に動作することにより2ビット全光型バッファメモリ動作を実現した。又、1つの偏光双安定VCSELから他の偏光双安定VCSELへ情報を転送して記録するシフトレジスタ動作も実現した。さらに、シフトレジスタ2個を並列に配置して(つまり4個のVCSELを用いて)4ビット全光型バッファメモリ動作を実現した。この実験結果は、この方式により今後さらに多ビット化が可能なことを示した重要な成果である。 (2)偏光双安定VCSELの一層の高速化をめざし、偏光双安定VCSELの最適な構造および動作条件を明らかにするため、レート方程式を用い理論解析した。その結果、通常のVCSELに比べDBR共振器の反射率を低下したVCSELでは、共振器のQ値が低下し、高速動作が可能になることがわかった。Q値を下げ、光子寿命時間を短縮することにより、スイッチングパワーが大きく低減され、40Gbit/sの光入力信号に対して正常動作する見通しを得た。
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