2006 Fiscal Year Annual Research Report
光位相情報の活用を目指した光複素振幅測定システムの構築
Project/Area Number |
17068004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊池 和朗 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50134458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 一弘 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (00292897)
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Keywords | 光通信 / 光変調 / ホモダイン検波 |
Research Abstract |
シンボルレートを維持したまま,ビットレート奇上げることができる多値光変復調方式は,将来の光通信システムを大容量化する有力な手段である。これまでの光通信システムでは,強度変調・直接検波のみが用いられてきたが,多値変復調方式を本格的に導入する場合には,強度変調にかわる位相変調の利用,直接検波にかわるヘテロダイン/ホモダイン検波の利用を検討する必要がある。 この目的のために,我々のグループはホモダイン位相・偏波ダイバーシティー技術とデジタル信号処理を用いたコヒーレント光受信器を提案している。この受信器は,ホモダイン検波によって得られた2偏光に対する信号光複素振幅のsinおよびcos成分から,デジタル信号処理により変調成分を抽咄するものである。この受信器を用いれば,任意の偏波に対するIQ変調に対応が可能である。 本年度はこの受信器を用いて,波長多重4相PSK(QPSK)信号の長距離伝送実験を行った。シンボルレートは10Gsymbol/sである。送信用レーザおよび局発用レーザは半導体DFBレーザであり,線幅は約150kHzである。コヒーレント受信器では,サンプルレート20Gsample/sでAD変換を行ったのち,デジタル信号処理を行っている。複素振幅分布をモニタしながら,伝送信号パワーと波長多重チャンネル間隔を最適化することにより,1,000km伝送時のスペクトル効率を1bit/s/Hz以上に向上できることを示した。
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