2006 Fiscal Year Annual Research Report
全光ラベル処理および光バッファリングを用いたパケットルーティング
Project/Area Number |
17068007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 功郎 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (80345363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植之原 裕行 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (20334526)
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Keywords | フォトニックネットワーク / 電子デバイス・機器 / 光物性 / 光信号処理 / 光ルータ |
Research Abstract |
近年のインターネットの急激な成長に伴うデータの急増に対応し、電子回路の処理負荷と消費電力増大を解決する光パケットルーティング技術の実現を目標として、超高速動作が可能な全光信号処理によるラベル処理技術と光バッファリング回路の制御手法・光スイッチ技術の確立、それらを導入した全光パケットスイッチの創成を目指している。 平成18年度は、半導体光増幅器をマッハツェンダー干渉計に配置した対称マッハツェンダー型全光スイッチ(SOA-MZI)を用い、自己スイッチング技術による先頭ビット検出・ラベル/ペイロード分離を提案し、その40Gbps動作可能性を検証した。自己スイッチング技術は、入力信号を2分岐し、一方を信号光、他方に分離するビット数に相当する相対遅延を与えて制御光として利用する。このとき、SOAの遅いキャリア寿命特性を逆に活用し、ランダムなビット列に対しても大きな消光比が得られる条件として(1)先頭は必ずビット1とする (2)符号としてビット0が最大でも3ビットまでしか連続しない4B5B符号などを用いる (3)パケット間ギャップとして分離するビット数+キャリア寿命分必要とすることを規定する。この条件下で40Gbps RZ 7段PRBS信号に対して4ビットラベルの分離を消光比6dBで実現できた。また先頭ビット検出の場合は、消光比の向上のためSOA-MZIの前段にもう1つのSOA-MZIを配置し、SOA内のキャリア密度変動に起因した利得のダイナミクスを利用して先頭ビットと2ビット以下の強度比を3〜4dB程度に引き上げることで、最終的な先頭ビット分離の消光比を8dBに改善できることも実証した。その他、SOA-MZIの樹状多段接続によるラベル識別回路のビット拡張性のためにループバック構成の導入が素子数削減に与えるインパクトと、電子回路構成に対する消費電力削減効果について検討し、全素子数として半分以下に削減できる効果のあることを見出した。 一方、光バッファ回路としては波長スイッチング技術による多入力多出力スイッチと光ファイバ遅延線を用いた共有バッファ回路の性能を複数構成間で解析的に検討し、素子数削減効果が最も得られる構成を見出した。またスケジューラを試作し、処理遅延80ns以下でのスケジューリングの可能性を得た。
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Research Products
(2 results)