2008 Fiscal Year Annual Research Report
全光ラベル処理および光バッファリングを用いたパケットルーティング
Project/Area Number |
17068007
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 功郎 Tokyo Institute of Technology, 精密工学研究所, 教授 (80345363)
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Keywords | フォトニックネットワーク / 電子デバイス・機器 / 光物性 / 光信号処理 / 光ルータ |
Research Abstract |
近年のインターネットの急激な成長に伴うデータの急増に対応し、電子回路の処理負荷と消費電力増大を解決する光パケットルーティング技術の実現を目標として、超高速動作が可能な全光信号処理によるラベル処理技術と光バッファリング回路の制御手法・光スイッチ技術の確立、それらを導入した全光パケットスイッチの創成を目指している。 平成19年度までに光パケットのラベル情報の全光処理手法(先頭ビット検出、ラベル・ペイロード分離、シリアル・パラレル変換によるラベル各ビットの分離、ラベル識別)およびラベル識別情報から出力光ゲートの開閉を制御する経路制御部の構成の検討を行い、その動作実証を行った。平成20年度は、経路制御部に必要なパルス幅変換機能(全光フリップ・フロップ)の検討を進めた。全光フリップ・フロップは、先頭ビット検出で生成された1ビット信号からパケット長にパルス幅を変換する必要がある。平成19年度にSOA-MZI型全光スイッチの出力をSOAの制御光としてフィードバックするフリップ・フロップ構成の動作を実証したが、検討を更に進めて動作安定性の原理、動作速度を決定するフィードバックループ長の短尺化のための構成部品の削減を検討した。動作の安定性は電子回路のフリップ・フロップと同様に、SOA-MZI自体の入出力特性とフィードバックループの利得曲線の関係から決まることがわかり、解析的にも安定点に強度が収束することを実証した。また実験においてフィードバックループ内の利得を調整することにより、利得補償用のSOAをなくすことができた。ただし、SOA-MZIに用いているSOAの自然放出光除去用BPFとアイソレータを除去するためには、まだ検討を要する状況である。まだ課題は残る状況ではあるが、半導体集積素子による20Gbps動作用デバイスの設計を行い、試作まで着手した。 光バッファに関しては、高速動作可能なSSG-DBR-LD、SOA1個で構成可能なDISC型波長変換器、AWGRの組合せによる波長スイッチのSSG-DBR-LDチャープの影響と、遅延干渉計の位相オフセット・BPF離調による波形整形・伝送特性改善効果を実証し、アドレス認識によるスケジューリングとの連動による遅延動作を実現した。
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Research Products
(7 results)