2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロリングフィルタ回路による波長スイッチングと波長ラベル符号多重化
Project/Area Number |
17068009
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
國分 泰雄 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60134839)
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Keywords | 3次元光集積化 / マイクロリング共振器 / 直列結合 / 波長選択スイッチ / 非遮断性 / ヒットレス / 熱光学効果 / 温度無依存化 |
Research Abstract |
新世代フォトニックネットワークにおいては,波長チャネルをスイッチして光信号の自在なルーティングを実現する技術が必要になると予想される.本研究では,そのために不可欠なヒットレス波長選択スイッチと,波長スペクトルを符号多重化してさらにルーティング制御を行うための波長ラベル符号化・識別回路の実現を目指している.これまでの研究によって,高次直列結合マイクロリング共振器の中心波長を熱光学(TO)効果によって個別に制御して,中心波長が全て一致したときにだけドロップポートにスペクトルピークが出現し(ON状態),中心波長をずらした状態では全波長チャネルがスルーポートに伝達される(OFF状態)原理を実証し,さらに高性能化と高密度集積化を目指して研究を行ってきた.昨年度は誘電体材料(Ta_2O_5-SiO_2)を用いて消光比40dB,中心波長再現性0.01nm以下,応答速度15μsecと,いずれも従来のポリマー材料よりも優れた特性を実証し,またバーニャ効果によるFSR=23nmの大幅な拡大も実証した. 平成18年度には,この基本要素を集積化した多波長多ポート・スイッチ回路の実現を目指して,まず基本要素を3段縦続接続した3波長選択スイッチを製作し,3波長〜0波長の多波長選択特性を実証した.さらに,基本要素をへいれつ接続した3ポートスイッチ回路を製作し,スイッチの2段通過による高消光費44dBを実証した.これらはいずれも多波長多ポートスイッチ回路の最小基本構成をなすものである.さらに,コア層成膜時に意図的に内部応力を発生させて,基盤温度変化による内部応力の変化を介した光弾性効果によって屈折率温度係数を補償して共振波長の温度依存性を除去するアサーマル化法を新たに考案して,共振波長温度係数を従来よりも15分の1に低減することに成功した.
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