Research Abstract |
本年度は,研究計画に基づき,以下のような研究を実施し,それぞれ下記の成果を得た. 1.高精度スーパーコンティニューム光の生成 波長1.2〜2umまで広がる超平坦・低雑音・高コヒーレントなスーパーコンティニューム光の生成に成功した.更に,励起光強度や数種の高非線形ファイバを用いることで,1オクターブ以上広がる高精度SC光の生成にも成功した.この研究で,超広帯域で低雑音・高コヒーレントなスーパーコンティニューム光の生成に,世界で初めて成功することができた. 2.電子制御型波長可変超短パルス光源の開発 ファイバレーザーの出力に音響光学変調器を用い,PCで透過率を制御することで,電子制御型の波長可変超短パルス光源を開発することに成功した.PCを用いて制御波形を調整することで,100fsの超短パルス光を,波長1.6〜1.7umの帯域において,任意に制御することができた.また,高速な波長走査によって,擬似的な広帯域光を生成することができた. 3.非線形偏波回転を用いた新しい光制御技術の研究 定偏波ファイバとファラデー回転子を用いて,複屈折非線形偏波回転ミラーという,新しい偏波回転ミラーを考案した.この手法を用いると,二つのパルスをそれぞれ独立に伝搬させることができるため,相互位相変調を抑制することができる.偏波保持特性により,環境変化の影響を抑えることができる.今回,この手法を用いて,安定で高効率な超短パルス光の整形に成功した.出力では,高いペデスタルの抑圧比と取り出し効率を実現した.また,数値解析も行い,動作特性を明らかにすることができた.
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