2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17069006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川合 真紀 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70177640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 紀明 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (50252416)
白木 将 東京大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80342799)
金 有洙 独立行政法人理化学研究所, 表面化学研究室, 研究員 (50373296)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / トンネル分光 / 安息香酸 / Cu / 単結晶表面 / チオール |
Research Abstract |
金-チオール結合に代わる金属-分子接合を探索するために、Cu(110)表面上に吸着したアミノ安息香酸イオン異性体のSTM観察を行った。オルト位(OAB)、パラ位(PAB)にアミノ基がある場合、二次元秩序構造を形成することが分かった。メタ位(MAB)の場合は、Cu原子列方向に一次元の鎖状構造を形成したが,広範囲にわたる秩序構造の形成は確認されなかった。飽和吸着表面においてOAB,PABおよびMABはそれぞれ(4×3),(3×4),(6×4)の周期構造を形成することが明らかとなった。アミノ安息香酸イオンの構造成長はアミノ基とカルボキシレートの間に働く分子間の水素結合に強く依存し,置換位置に依存した周期構造を与えると考えられる。 A05班大阪大学森川グループとの共同研究により、Cu(111)表面に吸着したメチルチオールについて第一原理計算による、吸着構造の最適化、電子準位、STM像を計算して実験との対応関係を比較・検討した。 ナノコンタクト分子を電子供与性の高い原子・分子と共吸着させることで局所ドーピングすることを目指して、CsやKのAu(111)面上における吸着構造をSTMを使って調べた。Au(111)面特有のヘリングボーン超構造が、アルカリ金属の吸着により変化する様子が明らかになった。Kでは、K層の単位格子と基板の単位格子とが不整合になるために長周期の変調構造が確認され構造モデルを提案した。Csについても、1次元のひも状の構造が観察された。表面相と基板との格子不整合に基づいて構造モデルを検討した。 分子-電極ナノコンタクト系における局在スピンと電気伝導の基礎学理を解明するために、超高真空(<10^<-9>Pa)・極低温(2〜50K)・強磁場(0〜9T)という複合極限環境下でSTM・STS測定ができるSTMシステムの仕様策定、設計、建設を開始した。
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Research Products
(3 results)