2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17069006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川合 真紀 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70177640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 紀明 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (50252416)
白木 将 東京大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80342799)
金 有洙 独立行政法人理化学研究所, 表面化学研究室, 研究員 (50373296)
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Keywords | 表面・界面 / 化学吸着 / 金属単結晶表面 / トンネル顕微鏡 / 光電子分光 / 分子エレクトロニクス |
Research Abstract |
Pt(111)表面における水ダイマーの電気伝導特性について極低温走査トンネル顕微鏡およびトンネル分光により調べた。水ダイマーは、±18mVで負性微分抵抗を示すことを明らかにした。この負性微分抵抗は、トンネル電子(ホール)が分子に注入される際に構造が変化することが原因と考えれらる。分子振動以上のエネルギーを持ったトンネル電子の注入により、分子振動が励起しその緩和過程において分子ホッピングが誘起されることを利用して、単一分子レベルで振動分光を行った。水ダイマーでは、水素結合により配位した水分子の水素原子の配向が不明であったが、単一分子スペクトルと理論計算による構造・基準振動解析との比較から、ダイマー分子の構造を決定することに成功した。公募班大阪大学家グループとの共同研究を推進した。家グループが合成した3脚分子(電極基板との結合部位がSeH基、SeCN基、ピリジン環、アミノ基から構成される3脚分子)を金基板に吸着させて、基板と分子との結合様式や電気伝導特性に深く関わると考えられるFermi準位近傍の状態密度を光電子分光により調べた。SeH基では、水素が外れてAu-Se結合ができる。3つのSeH基はいずれも金と結合を作っており、3本のAu-Se結合により基板と結合していることが明らかとなった。SeCN基を有する3脚分子では、CN基が外れて3本のAu-Se結合にょり基板と結合していることが明らかとなった。Fermi準位近傍にAu-Seに由来する準位が観測され、Seはナノリンク分子を基板に結合させる部位として優れている可能性を示している。
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Research Products
(17 results)