2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子-電極ナノコンタクト系の軟X線発光と超高分解能光電子分光
Project/Area Number |
17069008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辛 埴 The University of Tokyo, 物性研究所, 教授 (00162785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 恭孝 独立行政法人理化学研究所播磨研究所, 放射光科学総合研究所, 専任研究員 (90261122)
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Keywords | 軟X線発光 / 軟X線吸収 / 光電子分光 / シンクロトロン放射光 / 表面吸着 / 化学結合 |
Research Abstract |
H19年度の研究実績は、(1)東大・物性研で行っている真空紫外超高分解能光電子分光研究と、(2)SPring-8で行っている軟X線吸収分光、発光分光、光電子分光研究がある。 (1-1)光電子分光装置については更に低温を達成することができるように、熱シールドに様々な工夫を行った。 (1-2)吸着有機物質の劣化を防ぐためにより低エネルギーの6eVレーザーの整備を行った。 (1-3)表面処理装置の整備を行った。 (2)については、SPring-8のビームラインBL17SUにおいて、発光分光測定装置をより高分解能なものに刷新し、整備・調整を行った。具体的な研究対象としては、以下を行った。 (2-1)ルチル型TiO_2(110)表面における酸素欠陥状態について吸収と共鳴光電子分光を行い、表面のTiが酸素欠陥によりTiO_2の4価ではなく、Ti_2O_3状の3価になっていることを明らかにした。また、角度分解光電子分光により、酸素欠陥を有するTiO_2(110)表面では、酸素欠損の列方向に1次元的な金属状態になっていることを明らかにした。 (2-2)軟X線角度分解光電子分光において、直線偏光依存性を用いたバンドの対称性分離を実証するためにCu(100)のバンド分散を測定した。円偏光を用いた測定では全てのバンドが観測されたが、直線偏光を用いた測定では偏光方向によって異なるバンドが観測された。光電子の偏光方向に対する放出角依存性によって、バンドの対称性を議論できることを実証した。
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[Journal Article] Observation of a Superconducting Gap in Boron-Doped Diamond by Laser-Excited Photoemission Spectroscopy2007
Author(s)
K. Ishizaka, R. Eguchi, S. Tsuda, T. Yokoya, A. Chainani, T. Kiss, T. Shimojima, T. Togashi, S. Watanabe, C.-T. Chen, C. Q. Zhang, Y. Takano, M. Nagao, I. Sakaguchi, H. Kawarada, and S. Shin
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Journal Title
Phys. Rev. Lett. 98
Pages: 047003-047006
Peer Reviewed
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[Journal Article] Interplay of superconducdvity and rattling phenomena in β-pyrochlore KOs_2O_6 studied by photoemission spectroscopy2007
Author(s)
T. Shimojima, Y. Shibata, K. Ishizaka, T. Kiss, A. Chainani, T. Yokoya, T. Togashi, X.-Y. Wang, C. T. Chen, S. Watanabe, J. Yonezawa, Y. Muraoka, Z. Hiroi, T. Saitoh, S. Shin
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Journal Title
Phys. Rev. Lett. 98
Pages: 117003-117006
Peer Reviewed
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