2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケールで制御された分子-基板接合系の構築と電子物性
Project/Area Number |
17069009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉信 淳 東京大学, 物性研究所, 助教授 (50202403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 良之 東京大学, 物性研究所, 助手 (00302638)
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Keywords | シリコン / 表面 / 吸着 / 電子エネルギー損失分光 / 走査型トンネル顕微鏡 / X線吸収分光 / X線発光分光 |
Research Abstract |
本年度は特定領域研究の初年度であるため,既設の実験装置等を利用した研究と,新規実験装置の設計・建設を並行して行った. (1)低温のSi(100)表面に弱く吸着したエチレン分子に波長選別した可視・紫外光を照射し,光脱離と光誘起化学吸着反応を,主に電子エネルギー損失分光と質量分析計を用いて研究した. (2)Si(100)表面に基板温度を変化させ,1,4シクロヘキサジエンを吸着させた.3種類の吸着状態が観測された.室温での吸着状態(机型と考えられる)をとる単一吸着分子に対してトンネル分光を行った.電流-電圧特性の中に,分子に由来する特徴あるピークが観測された. (3>SiO_2/Si(111)基板の界面の電子状態を調べるために,軟X線吸収分光/軟X線発光分光をSPring8にて行った.異なる化学状態にある酸素の1s内殻準位から非占有状態への励起を選別することにより異なる酸素サイトごとの価電子帯の電子状態についての情報を得ることに成功した. (4)鉄ペンタカルボニルを低温のSi(100)表面に堆積させ,フォーカスした電子線を照射することにより電子誘起分解を生じさせ,その結果Si表面上に鉄を堆積させるプロセスについて研究を行った.鉄をSi基板上にミクロンオーダーで自由に描画できる手法を確立した. (5)原子・分子のマニピュレーションと単一分子の振動スペクトル測定に適した極低温走査型トンネル顕微鏡(STM)を設置するための超高真空装置を設計し製作に着手した.極低温クライオスタットとSTM本体は完成した.現在,次年度完成予定の超高真空チェンバーに設置するための精密調整を行っている.
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[Journal Article] Direct Observation of Site-specific Valence Electronic Structure at Interface : SiO_2/Si Interface2006
Author(s)
Y.Yamashita, S.Yamamoto, K.Mukai, J.Yoshinobu, Y.Harada, T.Tokushima, T.Takeuchi, Y.Takata, S.Shin, K.Akagi, S.Tsuneyuki
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Journal Title
Phys.Rev.B. 73
Pages: 045336
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