2008 Fiscal Year Annual Research Report
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17069010
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
塩谷 光彦 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (60187333)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 秀一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (10322538)
田代 省平 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (80420230)
宇部 仁壬 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (00512138)
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| Keywords | 超分子化学 / 金属錯体 / 分子カプセル / 生体高分子 / ナノリンク / 分子運動素子 |
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| Research Abstract |
近年、超分子化学という枠組みの中で、主に均一な化学環境における様々な金属錯体型超分子の構造・機能創製が行われてきた。金属錯体は、無機・有機両面の利点を併せ持つことにより、方向性を有する共役電子系の基幹材料としての応用が期待されている。さらに、これらを固体表面や階層性・方向性のある化学環境中におくことで、特異な電子状態や反応性を示すことが考えられる。本研究では、金属イオンや陰イオン、有機分子の配列情報を精密にプログラミングする生体高分子系および完全人工系多座配位子を用いて、ナノからメゾスコピックスケールの金属錯体型ナノリンク超分子をデザイン・合成し、それらを固体表面等に固定化した際に適用可能な、特異な物性や動的機能を探ることを目的とした。
1.金属錯体型超分子カプセルの動的構造変換に基づく発光スイッチング:人工ディスク型配位子と金属イオンから、八面体型超分子カプセルが定量的に形成することを報告しているが、金属イオンの添加によって八面体型カプセルからかご型超分子へと構造変換することを見出し、それに伴い蛍光発光挙動が劇的に変化することを見出した。また、可逆的に何度も構造変換および発光変化が起きることを明らかにした。2.ペプチド鎖を鋳型とした金属イオン・小分子の一次元精密配列:人工的に合理設計された生体高分子(ペプチド鎖)と金属イオンを組み合わせることにより、分子やイオンを精密に一次元配列できることを明らかにした。ペプチド骨格の主鎖・側鎖を合目的的に人工設計することにより、例えば、決まった数の白金イオンを一次元状に配列できることを見出した。また、結晶中で陰イオンや水分子が規則正しく一次元配列するサブナノチャネルを構築することにも成功した。
さらに本研究は、平成20年9月まで延長して遂行することにより、多成分系超分子カプセルや分子回転素子など、より発展的なナノリンク超分子の構築を完遂することに成功した。
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