2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17069010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩谷 光彦 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (60187333)
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Keywords | 金属イオン配列 / 導電性 / 人工DNA / ナノカプセル / マグナス塩 / 超分子金属錯体 |
Research Abstract |
当該年度は、主に人工DNAやかご型金属錯体を用いた金属配列の制御に焦点を当て、金属錯体型ナノリンク超分子の開発を行った。 (1)核酸塩基を金属配位子(ヒドロキシピリドン)に置き換えた人工DNAの両端をカーボンナノチューブの末端にアミド結合を介して固定し、銅イオンを1個ないし3個含む金属錯体型二重鎖DNAの導電性を測定した。その結果、銅イオンの添加により導電性が著しく向上し、金属錯体型塩基対の電子移動反応に及ぼす効果を評価することができた。導電性は金属イオンの数が多いほど高いことが明らかとなり、今後長鎖DNAの導電性機能を明らかにしていく。 (2)両端にピリジン基を有する湾曲型配位子は、白金或いはパラジウムイオンとかご型錯体を形成する。本錯体は4個の配位子と2個の金属イオンから成り、両端に正電荷を帯びた金属中心をもつ二核構造を有する。このかご錯体は、種々の有機アニオン分子を静電相互作用により捕捉する。この性質を利用して、正電荷をもつ平面四角型金属錯体と負電荷をもつ平面四角型金属錯体が交互に並んだマグナス塩の包接を検討した。その結果、約1.7nm離れたかご型錯体の金属中心の間に、2個の負電荷錯体と1個の正電荷錯体が挿入され、正負電荷が交互に並んだマグナス塩型金属錯体を構築することに成功した。本錯体は、ディスクリートなマグナス塩を単離した世界最初の例であり、その金属イオンの数にや種類に応じた物性や機能に興味が持たれる。
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Research Products
(12 results)