2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17069011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 茂弘 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 教授 (60260618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若宮 淳志 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教 (60362224)
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Keywords | 合成化学 / 有機導体 / ナノ材料 / ナノコンタクト / 光物性 |
Research Abstract |
本研究では,分子と電極との接合,すなわち,「ナノリンク」の電気伝導特性の系統的な物性評価を可能にする新パイ共役骨格の構築と電極と分子とのスムースな電気的接合を可能にする新アンカー官能基の探索を目的とする.具体的には,架橋オリゴ(p-フェニレンビニレン)およびヘテロアセン骨格を基本構造に用いた新規π電子系分子の合成し,それらの構造解析,物性評価を行うとともに,他グループとの有機的な共同研究により単一分子の電気伝導特性の解明に取り組む.本年度の成果は以下の2点にまとめられる. 1)系統的評価を可能にする新パイ共役骨格の構築:新たなπ電子系骨格として,ホスホリル(P=O)基で架橋した架橋オリゴ(フェニレンビニレン)類の合成に取り組んだ.ビス(o-ホスファニルフェニル)アセチレンからの自発的ドミノ環化反応により,ホスホリル架橋スチルベンの合成に成功した.得られたπ電子系は,強い蛍光や低い還元電位などの特徴的な性質を示した.電気伝導評価を行う対象として興味深い系であるといえる.また,一つの異性体(シス体)はキラルであり,2つのエナンチオマーを分離することによりキラル構成単位としての潜在性をもつことを示した. 2)新アンカー官能基の探索:電極と分子とのスムースな電気的接合を可能にするアンカーとして昨年度よりジベンゾホスホールスルフィドに着目し,その誘導体合成を進めてきた.第3班の吉信グループとの共同研究により,これらの分子の銅表面への吸着について検討し,その挙動,化合物の安定性に関する知見を得た.また,このアンカー部位を両末端にもつπ電子系の電気伝導の評価を第3班の木口グループとの共同研究により進め,チオールと同等の伝導性をもつことを示した.今後さらに新たなアンカー部位の設計,合成を進めていく予定である.
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[Presentation] 有機結晶フィルムトランジスタ2007
Author(s)
富成征弘, 山岸正和, 岡本敏宏, 鈴木善丈, 若宮淳志, 山口茂弘, 竹谷純一
Organizer
2007年秋季 第68回応用物理学会学術講演会
Place of Presentation
北海道
Year and Date
20070904-08
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