2009 Fiscal Year Annual Research Report
大強度光子ビームを用いたエキゾティックバリオンの研究
Project/Area Number |
17070004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 貴志 Osaka University, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與曽井 優 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (80183995)
味村 周平 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (10273575)
村松 憲仁 大阪大学, 核物理研究センター, 特任助教 (40397766)
堀田 智明 大阪大学, 核物理研究センター, 助教 (30332745)
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Keywords | シータ粒子 / ペンタクォーク / レーザー電子光 |
Research Abstract |
シータ(Θ+)粒子は、SPring-8のレーザー電子光ビームを原子核に照射した実験で世界初めて実験的に存在の可能性が示された5クォーク(ペンタクォーク)粒子である。 本研究の目的は、大強度レーザー電子光ビームを用いた高統計のΘ+粒子探索実験を行い、Θ+が実在するのであれば、その存在を実験的に確立することである。 本年度は、昨年論文発表した追試実験の肯定的な結果が、最近取得した高統計実験データで再現されるかどうかを見極めるため、データ解析を最優先で行った。結果にバイアスのかかりにくいブラインド・アナリシスという手法を使うため、エネルギーや運動量の校正に時間がかかっているが、データの質に本質的な問題が無いことはほぼ確認できた。 3GeV光ビームを用いた実験のためにレーザー発振器と光学系を改良し、強度と安定性が飛躍的に改善された。ベクターK中間子を伴う新しいΘ+粒子の発生機構を調べるための質の良いデータが取得できた。また、本研究と非常に関係が深いファイ中間子の中性子からの生成とイータ中間子の後方への生成についての研究をまとめ論文発表した。前者では、ファイ中間子生成ではアイソスピン対称性が良く成り立っていること、後者では、質量が約2GeVの領域にストレンジ・反ストレンジ成分を多く含むバリオン共鳴があることを示唆する興味深い結果が得られた。
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Research Products
(3 results)