2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17071004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石本 英彦 東京大学, 物性研究所, 教授 (60044773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 雄一 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (50135670)
佐々木 豊 京都大学, 低温物質科学研究センター, 助教授 (60205870)
山口 明 東京大学, 物性研究所, 助手 (10302639)
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Keywords | 量子固体 / 多体交換 / フラストレーション / 低次元 / スピン液体 / 超流動 / 結晶成長 / MRI |
Research Abstract |
物理吸着により実現される固体ヘリウム3は理想的2次元3角格子を形成し、特に反強磁性の密度領域では多体交換の競合とともに幾何学的な効果もありフラストレーションが増幅された量子スピン系である。1層の固体^4He上の反強磁性4/7整合相の1mK以下における磁化曲線の測定を試みた。本年度は、100MHzまでのNMRにより3Tまでの低磁場領域の測定を初めて試み、強磁場中での基底状態として、飽和磁化の1/2にプラトーの存在が見出された。 3次元ULTMRI法を利用して絶対零度近傍における磁場誘起一次相転移の研究を行った。U2D2-^3HeとCNAF-^3Heの核磁気秩序相聞の一次相転移は固体内に満遍なく存在するヘテロジーニアスな核生成サイトにおいてMQT機構により発現し、その後生成された安定相核が有限の大きさまでしか成長できないことや、その大きさを規定する機構が移動する2相界面で発生するマグノンのウムクラップ散乱過程によって与えられることなどを明らかにした。 超音波パルスの音響放射圧により、固体4HeのC面が驚くほどの速さで成長することを発見した。ステップ間の衝突によりステップが消滅するのではなく、新たなステップが上の層に形成されステップの運動が持続されることにより、この高速成長が理解されることを示した。これは、超流動の流れによる運動エネルギーが重要な役割を果たす結晶成長で、量子固体で初めて観測できる量子的結晶成長である。この研究成果は、Journal of the Physical Society of JapanのEditor's choiceとして注目論文に上げられた。
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Research Products
(6 results)