2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17071004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石本 英彦 The University of Tokyo, 物性研究所, 教授 (60044773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 雄一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50135670)
佐々木 豊 京都大学, 低温物質科学研究センター, 准教授 (60205870)
山口 明 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 准教授 (10302639)
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Keywords | 量子固体 / 多体交換 / フラストレーション / 低次元 / スピン液体 / 超流動 / 結晶成長 / MRI |
Research Abstract |
多体交換相互作用の競合する2次元3角格子反強磁性固体^3Heについて、1層の固体^4He上の反強磁性4/7整合相の磁化曲線を1mK以下において広い磁場領域にわたり測定してきた。理論的に予言されていた飽和磁化の1/2プラトーの発見に引き続いて、両側の磁場領域でより細かい磁場間隔で精密な測定を行った。その結果、飽和磁化の1/4および2/3にキンクのような折れ曲がりが見出された。 超低温度実験設備の移設後に再稼働したULTMRI設備を利用して、固体^4He中の結晶構造の乱れた部分などにトラップされた不純物^3Heが、相分離温度より高温でも比較的安定なクラスターとして存在することを発見した。また、パルス磁場勾配の導入により、磁気構造を高速に可視化するための改良を行った。さらに固体^3Heの磁気的結晶化波の安定化を目指し、より低温度まで冷却するためのサファイア製試料セルの製作を行った。 アエロジェル中に固体^4Heがどのように入り込むかの問題を引き続き検討した。5面をガラスで被い1mm×8mmの扁平な形状中のアエロジェルを用いた実験において、核生成的に結晶化が生じる現象が発見された。これはアエロジェル中周辺の固体が融解し、液体の密度が上昇して結晶化へつながったと考えられる。
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Research Products
(9 results)