2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17071004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥田 雄一 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (50135670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 豊 京都大学, 低温物質科学研究センター, 准教授 (60205870)
山口 明 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 准教授 (10302639)
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Keywords | 結晶成長 / 固体4He / アエロジェル / フラストレーション / スピン液体 / 多体交換 / 超流動3He / MRI |
Research Abstract |
当研究班は3つのグループから成る。研究代表者のグループはアエロジェルという90-99%の空孔率をもつフラクタル構造中での固体4Heの結晶成長の研究を進めた。0.6Kという温度をはさんで高温ではスムーズに、低温では1mm程度のサイズの雪崩となって結晶成長が起こる。また、その温度依存性を詳細に調べることで、高温のスムーズな領域は熱活性型の成長、低温の雪崩領域では量子核生成による成長であることが判明した。またその中間領域で散逸のある量子核生成現象が見られている。第一の研究分担者は、グラファイト上に物理吸着したヘリウム3原子層でフラストレーション効果が強く現れた2次元三角格子系の基底状態を解明する研究を進めた。1層の固体4He上の反強磁性4/7整合相の1mK以下における磁化曲線に明瞭なプラトーを観測した。12~2.2Tに現れる1/2磁化プラトーや2.5Tに現れるショルダーの理論的な理解のためには、多体交換相互作用パラメータの厳密な見積もりが不可欠である。過去にフランスのグループによって報告された6体までのパラメータでは説明できないことが明らかになった。二番目の研究分担者はNMRにより超低温における3Heの物理を広く研究している。今年度は超流動3He-Bの長寿命NMR信号であるPPD信号の発生と磁場勾配による制御が可能になった。その結果PPDが容器壁と近接することによる速い緩和と、バルク中でのPPD領域の境界で働く遅い緩和機構の二種類の緩和機構があることを発見した。
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Research Products
(4 results)