2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17071010
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白濱 圭也 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (70251486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 勝 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20196869)
柴山 義行 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (20327688)
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Keywords | ヘリウム / 超流動 / 量子相転移 / ボース・アインシュタイン凝縮 / 量子液体 / 量子固体 / 超流動固体 / ナノ多孔体 |
Research Abstract |
本研究は、ナノ多孔体構造に閉じこめたヘリウム(^4He)や水素が示す特異な量子多体現象を多様な実験により明らかにし、「スーパークリーン強相関ボース粒子系」の新しい物理を開拓・追求するものである。本年度の研究実績は以下の通りである。 1)ナノ多孔質ガラス中^4Heの定積圧力測定を、新しく開発した容積可変セルを用いて行い、0.5K以上で固体液体転移線を確定した。「局在ボース・アインシュタイン凝縮状態」と呼ぶべき状態が存在する可能性がさらに強まった。 2)超音波測定によりナノ多孔質ガラス中^4Heの圧力温度相図を調べたところ、ねじれ振り子法による結果と異なり、加圧による超流動状態の抑圧が小さいことが明らかになった。これは超流動応答が測定周波数により異なることを示唆する、非常に興味深い成果である。この結果を詳細に調べるため、超音波とねじれ振り子の測定を単一の多孔体試料に対して同時に行う実験を準備中である。 3)多孔体細孔にクリプトン原子を前吸着させ、ヘリウム原子に対する「実効細孔径」を狭めることに成功した。現在超流動特性の実効細孔径依存性の詳細な測定を進めている。 4)ナノ構造の相転移に対する不純物効果を調べる目的で、ナノ多孔質ガラス中^3He-^4He混合体の超流動性の測定を進めている。18年度に本格的な測定を行う。 5)ナノ多孔質ガラス中水素(H_2)の定積圧力測定を試みた。バルク固液共存線(13.8K付近)よりも低温の9.5Kおよび11.6Kで、水素の何らかの状態変化を示唆する圧力極小を発見した。圧力の絶対値測定精度に問題があるため、装置の改良を行っている。 6)多孔質ガラス中加圧^4Heの比熱測定の準備を行った。18年度に本格的測定を開始する。 7)周期的多孔構造を持つ結晶性ナノ多孔体を用いた実験を、本科研費で導入した希釈冷凍機で行うべく準備を行った。18年度に超流動特性・圧力測定を進めていく。 8)2次元的なスラブ状細孔をもつヘクトライト多孔体中^4Heの超流動特性を超音波法で測定し、加圧による超流動転移温度の抑圧が極めて大きいことを示唆する結果を得た。これは超流動性(の抑圧)に次元性の効果が存在することを示唆する極めて重要な結果で、更に詳細な実験を進めていく。 なお上記1、2)の成果については、論文および低温物理学国際会議(LT24)での招待講演等で発表した。
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Research Products
(7 results)