2006 Fiscal Year Annual Research Report
超強磁場X線分光・中性子散乱による局在遍歴電子相関系の研究
Project/Area Number |
17072002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野尻 浩之 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80189399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲見 俊哉 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (30354989)
松田 康弘 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (10292757)
加倉井 和久 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (00204339)
松田 雅昌 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (90260190)
大山 研司 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (60241569)
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Keywords | 強磁場 / スピン科学 / X線分光 / 中性子散乱 / 量子ビーム |
Research Abstract |
X線や中性子などの量子ビームと強磁場の組み合わせは、様々な磁場誘起相転移研究の強力な道具であり、現在大きな進展のある分野である。本研究では、放射光を用いたX線回折とX線分光の両者において世界最高磁場記録を維持更新しながら、定常炉を用いたパルス磁場下中性子回折のための技術開発を行い、中性子回折実験の世界記録を更新した。X線回折に関しては、ミニコイル方式と通常型のパルス磁場装置を用いてスピンヤンテラー効果を示すCdCr_2O_4の磁化プラトー相における格子歪みパターンの直接観測に初めて成功した。また、マルチフェロイック物質CuFeO_2における格子歪みの磁場依存性を40テスラまで明らかにした。さらに、通常は感度上困難な磁気散乱を、共鳴散乱過程の利用により観測する事に初めて成功し、フラストレーションの強い希土類磁石TbB_4の磁化ステップに対応した反射強度の磁場依存性を明らかにした。X線分光としては、吸収実験の論文を公表し、物理学会の注目論文に選定された。さらに、メタマグ転移を示す反強磁性Ce化合物に関してX線MCDの観測に初めて成功した。 中性子回折に関しては、パルス磁場を長時間化することで約100回の測定でデータが取れることを実証し、マルチフェロイック物質CuFeO_2の磁化プラトーの波数ベクトルを初めて正確に決定することに成功した。またJ-parcにおける実験のための電源の設計と購入、コイルの設計などを進めた。
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