2005 Fiscal Year Annual Research Report
超強磁場下における機能性材料および生体物質のNMR/ESR法による研究
Project/Area Number |
17072005
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鄭 国慶 岡山大学, 大学院自然科学研究科, 教授 (50231444)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 政幸 大阪大学, 極限科学研究センター, 教授 (10221491)
後藤 貴行 上智大学, 理工学部, 助教授 (90215492)
太田 仁 神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 教授 (70194173)
熊谷 健一 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (70029560)
|
Keywords | 巨大磁気抵抗 / 強磁性 / 強磁場 / NMR / 磁化 / 比熱 / ESR |
Research Abstract |
物質に磁場を引加すると電気抵抗が変化する現象を磁気抵抗効果という。マンガン酸化物における負の巨大磁気抵抗効果(CMR)はその発見以来大きな注目を浴びてきたが、その発生機構は不明のままであった。本研究では層状構造をもつマンガン酸化物La_<1.2>Sr_<1.8>Mn_2O_7において、強磁場下で^<139>La-NMR測定を行い、CMRの原因を探った。 その結果、以下のような新しい知見を得た。(1)T_c=126Kにおける強磁性相転移は一次相転移であることを明らかにした。(2)T_cから330Kまでの温度領域で磁場によって長距離強磁性秩序が誘起されることを発見した。また、誘起される磁気モーメントが飽和する磁場H_<cr>は磁気抵抗効果が最大に達する磁場と一致することを見出した。この結果は、磁場誘起強磁性秩序がCMRの原因であることを明確に示すものである。 また、本研究では正方格子の対角方向にも反強磁性的な相互作用を有する二次元正方格子反強磁性体(CuCl)LaNb_2O_7において磁化測定を行った。この化合物はゼロ磁場でおよそ27Kのスピンギャップを持つが、56Tまでの強磁場磁化測定からおよそ10.3Tの磁場でギャップが閉じることを明らかにした。この値は、驚くべきことに予想される臨界磁場18.4Tよりはるかに小さい。 さらに、リン化物PbCu_2(PO_4)_2において65テスラまで磁化、ESR及び比熱の測定を行った。ESR測定からg値を決定し、Cuの軌道状態が3z^2-r^2であることを明らかにした。また、比熱測定からこの系は0.45Kまで長距離秩序を示さないことを明らかにした。
|
Research Products
(3 results)