2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17073002
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西川 恵子 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 教授 (60080470)
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Keywords | イオン液体 / ドメイン構造 / 回転異性体 / 凝固・融解 / 熱物性 / 緩和時間 / ダイナミクス / ナノ粒子 |
Research Abstract |
イオン液体は様々な特異的な性質を示し、中には液体の概念の転換を迫るものもある。本研究では、イオン液体をイオン液体ならしめている要因を、多角的な観点から解明することを目的としている。本年度の研究成果のうち、代表的なものを3つまとめる。 1)凝固・融解過程の解明:結晶⇔液体の相転移に焦点をあて、超高感度熱分析とラマン散乱等を併用し、熱物性と構造を関連づけながらイオン液体の特異性について解明した。C_n-methyl-imidazoliumカチオンおよびC_nC_1-methyl-imidazoliumカチオンに注目し、カチオンをCl^-, Br^-, I^-, BF_4^-, PF_6^-として相挙動を系統的に調べた。相変化はすべて、コンフォメーションの変化とリンクしていることを明らかにした。コンフォメーションのフレキシビリティがイオン液体の熱物性に本質的な効果を及ぼしていると結論した。 2)相転移におけるスローダイナミクスの解明:1)の熱現象をダイナミクスの立場力ら、NMRの緩和時間(T_1、T_2)で検討した。低周波数NMRを用いて、^1HからC_n-methyl-imidazoliumカチオン全体のダイナミクスを、高分解能NMRを用いて^<13>Cから各炭素のダイナミクスを検討した。結晶化やガラス転移以外に、各原子の運動が凍結する状態を見つけた。炭素の運動性の観点から、タイプの異なるグループの運動性が、複雑な熱挙動を示す一つの原因であることを明らかにした。本結果を纏めた論文は、Phys.Chem.Chem.Phys.のCover Articleに選ばれた。 3)イオン液体中に生成する金ナノ粒子の構造研究:イオン液体を用いた新規ナノ粒子合成法で生成する金ナノ粒子について、小角X線散乱およびEXAFS実験を行い、粒径サイズを決める要因と生成したナノ粒子の構造について検討した。イオン液体の種類と粘度が最も強い因子であることが明らかになった。
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