2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17073005
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
大野 弘幸 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (00176968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 暢文 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (60313293)
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Keywords | イオン液体 / 次元制御 / イオン伝導性高分子 / タンパク質 / 多糖類 / 下限臨界溶解温度 / 電気化学 / 燃料電池 |
Research Abstract |
イオン液体をさらに発展・進化させて魅力的な物質群とするために、構造的な、あるいは機能の次元制御を通じ、新規な機能を持ったイオン液体を創成するために基礎知見を整理することを目的として、研究を進めた。構造的な側面ではイオンの集合状態、即ち次元制御に注目し、分子集合や高分子化を駆使しながら、サブナノレベルでイオン席の配列制御を行うことによる新規特性の発現を目指した。 平成21年度では、次元制御については、カチオンとアニオンを両方有する、いわゆるzwitterionの集合状態の制御とプロトン伝導性の相関を検討した。少量の水を加えた系では連続的なプロトン伝導の可能性を示唆する集合構造が確認された。アルキル鎖長などイオン伝導に影響を与える構造因子を整理した。また一連の酵素群や基質を次元制御されたイオン液体中に固定する試みを行ったが、酵素などの添加後に集合構造を保つことができなかったので、酵素機能の維持は後述の水和イオン液体を駆使した展開に集約させた。 機能制御では、主にセルロースを電気エネルギーに変換する、いわゆる"バイオマス燃料電池"をイオン液体を使って作製するための基礎知見を整理した。この研究に必要な3ステップ、すなわち(1)バイオマスからのセルロース類の抽出、(2)セルロース類の加水分解、(3)グルコースないしセロビオースの酵素的酸化反応、をそれぞれ検討し、新規な成果を得ることができたとともに、これらの全てをイオン液体中で進めることができる確証を得た。それぞれのステップで最適なイオン液体が異なることが課題として残ったものの、当初の計画は十分に達成できた。
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Research Products
(97 results)