2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17073006
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渋谷 一彦 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (30126320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 明雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50262259)
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Keywords | クラスター / 溶媒和 / 磁気共鳴 / 化学反応 / ダイナミクス |
Research Abstract |
イオン液体中の回転相関時間τ_cの測定を行った。比較的大きな分子であるポルフィリンイオンの三重項では、SEDの予測よりも遅い回転が示唆された。またラジカルの回転では、溶質を溶解する際にイオン液体のカチオンとアニオンのネットワーク構造の破壊を避けるため、イオン液体構成イオンと構造が近いBmimCProxylを新規合成し、EPRスペクトル中で、N核スピンによる3本ピークが遅い回転の影響で非等強度で観測された。この強度比(h_i)と線幅(H_<pp>(0))をKivelson理論で解析し、様々な温度でτ_cを決定した。いくつかのイオン液体でτ_cの温度依存性がSEDの理論でうまく再現できないことがわかった。SEDの修正式として、τ_c=4πr^3/3KB(T/η)^<-t>を導入し、パラメータtによりSED理論のずれ(t=1が通常理論)を評価した。イオン液体中では溶質分子の回転運動を支配するミクロ環境場がShearviscosityから矛測できず、分子がスリップしながら回転している描像が考えられる。 Tf_2N塩の気体への蒸発分子がいかなる構造をしているか調べるため、赤外やレーザー分光計測を行った。加熱気化したEmimTf_2Nを極低温Neマトリックス中に閉じ込めて測定した赤外スペクトルでTf_2N振動モードが観測された。気化する温度が高い方が、液体の赤外スペクトルに近いバンドが現れている。このことは、気化するイオン対の構造が気化温度で異なることを示唆しており興味深い。このようなイオン対の構造についての量子化学計算とあわせ赤外スペクトルの解析を進めている
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