2006 Fiscal Year Annual Research Report
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17073008
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| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
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Principal Investigator |
淵上 寿雄 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (10016701)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 稔樹 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (50361770)
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| Keywords | イオン液体 / 雪電解合成 / 電解フッ素化 / 電子移動 / 水素結合 / ジケトン / 脱硫フッ素化 / フッ化物塩 |
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| Research Abstract |
本年度はイオン液体を反応メデイアとする電解脱硫フッ素化やイオン液体がカルボニル化合物やニトロ化合物の電解還元に及ぼす溶媒効果、さらにはフッ化物イオン液体を支持塩とする電解フッ素化について検討を行い、ほぼ所期の目的を達成することができた。
(1)ポリフッ化水素酸塩イオン液体中での電解脱硫フッ素化
有機溶媒中でのアリールチオメチルカルボン酸エステル類の電解脱硫フッ素化について検討したところ、イオン液体Et_4NF-4HFとジメトキシエタンの組み合わせが最適であり、良収率で脱硫フッ素化体を与えることを見出した。一方、イオン液体Et_3N-3HFとジメトキシエタンの組み合わせでは脱硫が起こらず硫黄の隣接位が選択的にフッ素化された生成物が得られることを見出した。ついでポリフッ化水素酸塩イオン液体中、有機溶媒を用いずに電解脱硫フッ素化を検討したところ、Et_4NF-4HFとEt_3N-3HFの2種類のポリフッ化水素酸塩イオン液体の混合系で電解を行うと脱硫フッ素化体の収率が大幅に向上することを見出した。現在この興味深い溶媒効果について解明中である。
(2)イオン液体がケトンやニトロ化合物の還元電位に及ぼす溶媒効果
カチオンとアニオンのみから成るイオン液体が電解発生イオン種の反応性に与える影響を明らかにすることはイオン液体の学理を解明する上で極めて重要である。本研究ではイミダゾール環の2位に水素を有するイオン液体を支持塩とする有機溶媒中で芳香族ジケトンや芳香族ジニトロ化合物のCV測定したところ、4級アンモニウム塩や2位に水素を持たない同じ分子構造のイオン液体を支持塩とする有機溶媒中に比べ、第2波目の還元電位が大幅に貴側にシフトすることを見出した。種々検討の結果、これらの還元電位のシフトは2電子移動により生成するカルボニル基やニトロ基のジアニオンとイミダゾリウムカチオンの2位の水素との水素結合に起因することを初めて明らかにした。
(3)フッ化物イオン液体を支持塩とする鎖状および環状含硫黄化合物やホスホン酸エステル類の電解フッ素化を達成した。ジメトキシエタンが電解溶媒として優れていることを見出した。
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