2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線形分光および電子分光によるイオン液体表面・界面の構造と電子構造の研究
Project/Area Number |
17073011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大内 幸雄 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 准教授 (60194081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 要 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教 (10345845)
宮前 孝行 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 研究員 (80358134)
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Keywords | イオン液体 / 赤外可視和周波発生分光 / 表面構造 / 準安定励起原子分光 / 逆光電子分光 |
Research Abstract |
イオン液体は常温付近で液体状態をとる塩であり,高いイオン伝導性や様々な物質を溶解する優れた溶解性など,通常の分子液体には見られない興味深い性質を持つ新しい物質群である。 我々はイオン液体の表面/界面構造を微視的な観点から理解するために,赤外-可視和周波混合振動分光法(IV-SFG法)などの表面敏感な測定手法およびラマン分光や赤外分光などを駆使した研究を行っているほか、電子構造にも着目し各種電子分光法を併用することによって、これら新奇な化合物の物性に迫ろうとしている。本年度は1-alkyl-3-methyl imidazolium([C_nmim]^+)カチオンにBF_4,PF_6,OTf,TFSIなどの様々なアニオンを組み合わせて、表面構造のアルキル鎖長依存性やアニオンサイズ依存性などについて詳細な検討を加えた。また、IV-SFGと併せて準安定励起原子電子分光(MAES)を用いて、表面最外層に露出する分子種および官能基の種別の検討を加え、アルキル鎖が表面最外層を遮蔽するような配列を取っていることを明らかにした。また関連する研究として、イオン液体中にヘミシアニン色素を添加し、色素の寿命やストークスシフトの大小などを通常の有機溶媒と比較検討を加え、イオン液体の特性を議論したほか、電子状態に関する研究として逆光電子分光などによる検討を加えた。これらは何れも研究成果として次項の学術論文にて発表した。
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