2008 Fiscal Year Annual Research Report
非線形分光および電子分光によるイオン液体表面・界面の構造と電子構造の研究
Project/Area Number |
17073011
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大内 幸雄 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 准教授 (60194081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮前 孝行 名古屋大学, 独立行政法人産技術総合研究所・ナノテクノロジー研究部門, 研究員 (80358134)
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Keywords | イオン液体 / 赤外可視和周波発生分光 / 表面構造 / 準安定励起原子分光 / 逆光電子分光 |
Research Abstract |
イオン液体は常温付近で液体状態をとる塩であり, 高いイオン伝導性や様々な物質を溶解する優れた溶解性など, 通常の分子液体には見られない興味深い性質を持つ新しい物質群である。 我々はイオン液体の表面/界面構造を微視的な観点から理解するために, 赤外-可視和周波混合振動分光法(IV-SFG法)などの表面敏感な測定手法およびラマン分光や赤外分光などを駆使した研究を行っているほか、電子構造にも着目し各種電子分光法を併用することによって、これら新奇な化合物の物性に迫ろうとしている。本年度は1-alkyl-3-methyl imidazolium([C_nmim]^+)カチオンにBF_4, PF_6, OTf, TFSIなどの様々なアニオンを組み合わせて、表面構造のアルキル鎖長依存性やアニオンサイズ依存性などについて詳細な検討を加えている。今年度はイオン液体表面のX線反射率測定に成功し、その表面においてアニオンがカチオンコアと密接に連動していることを突き止めた。また、イオン液体を含む界面構造の研究を展開し、アルコールとの液体/液体界面においてはアルキル鎖の凝集した境界層が形成されていることを見出した。同じくイオン液体の白金電極上の構造を、その電位依存性の観点から詳細に吟味したところ、アニオン・カチオンともに吸着構造に電位に対するヒステリシスがあることを明らかにした。これまではアニオン種依存性に着目していたので、次年度については他のカチオン種にも検討の範囲を広げたい。
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