2007 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学デバイス用イオン液体の機能発現に関する研究
Project/Area Number |
17073013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
萩原 理加 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 教授 (30237911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野平 俊之 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (00303876)
宇井 幸一 岩手大学, 工学研究科, 准教授 (60360161)
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Keywords | イオン液体 / 溶融塩 / 電気化学 / イオン導電性 / 粘性率 / 燃料電池 / 電気二重層キャパシタ / リチウム電池 |
Research Abstract |
100℃以上の中温域における運転の際に水の蒸発や高分子の劣化によるイオン導電性の低下のないイオン液体燃料電池の1つとしてフルオロハイドロジェネートイオン伝導機構を有する新しい機構の燃料電池の熱的安定性を高めるため、アニオンのHF組成の低いEMIm (FH)1.3Fとポリマーを複合化し、これを膜電解質として用いた燃料電池の試験を行い、100℃以上の中温無加湿条件下での作動試験でも発電可能である事を実証した。60℃で80mWcm-2程度の最高出力密度を達成しているが、高温になるとポリマーの軟化等の影響で性能が落ちる事があり、膜電解質の作製法やガス拡散電極、触媒等の最適化を行う必要がある事が明らかとなった。更に運転出力の増大に伴い、低温運転時の凝縮水によるイオン液体の溶出が問題となってきており、これを防ぐため、カチオンの重合化によるフルオロハイドロジェネートイオン液体の疎水化が検討されている。 新しい中温域(100-200℃)での電気化学デバイスへの応用の観点から、アルカリ金属ビストリフルオロメチルスルフォニルアミド塩の混合塩の検討を行った。例えば、Li-Cs2元系の共晶温度は112℃、Li-Cs2元系の共晶温度は110℃となる。また、3元系にする事により、更なる融点の低下や液体状態の組成範囲の拡張や低粘性化が可能になる。カソード還元反応はアルカリ金属の析出であり、混合系の場合、析出はNa>Li>K>Csの順でより貴な電位での析出が起こる事等を明らかにした。負極に金属リチウム、正極にオリビン鉄(LiFePO4)を用い、電解質としてLi(20)K(10)Cs(70)TFSI塩を用いた金属リチウム電池が運転温度150℃で良好な充放電特性を示し、サイクル特性にも優れている事を明らかにした。
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Research Products
(34 results)