2005 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体を電解液に用いたナノ構造体の電気化学的構築
Project/Area Number |
17073014
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑畑 進 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40186565)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷松 大祐 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80333847)
|
Keywords | イオン液体 / ナノ構造体 / 単原子層 / 電解析出 |
Research Abstract |
次の3つの課題に取り組み、それぞれの成果を得た。 1)イオン液体中でのチオールの自己集合単分子膜の還元脱離反応:金電極にアルカンチオールの自己集合単分子膜(SAM)を被覆し、それの還元脱離反応を種々のイオン液体中で行った。水溶液中でSAMの還元脱離反応が起こることは良く知られているが、それがイオン液体中でも起こること、ならびに、その挙動は水溶液中での挙動と大きく異なることを見出した。さらに、イオン液体のカチオン種とアニオン種を系統的に変えて還元脱離反応を行ったところ、カチオン種が脱離したチオラートの電荷補償イオンの役割を行い、アニオンは溶媒として働くことがわかった。 2)イオン液体中での導電性高分子の酸化還元反応:ポリピロール系およびポリチオフェン系の導電性高分子の酸化還元反応をイオン液体中で行った。イオン液体の種類によって酸化還元挙動は大きく変化し、特にサイクリックボルタンメトリーによる挙動に敏感に現れた。例えば、アニオンがドープする酸化反応においても、カチオンが関与する場合があることが明確になった。また、ポリチオフェン系の高分子の中で、いくつかのものはアニオンがドープする酸化反応に加えて、カチオンがドープする還元反応も起こることを見出した。 3)イオン液体の電子顕微鏡観察:イオン液体を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、液体中に電子が透過して、チャージアップすることなく液滴を観察できることを発見した。この性質を利用して、絶縁性の試料にイオン液体を塗布あるいは含浸させることによってSEM観察を行える技術を開発した。
|
Research Products
(1 results)