2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体を電解液に用いたナノ構造体の電気化学的構築
Project/Area Number |
17073014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桑畑 進 Osaka University, 工学研究科, 教授 (40186565)
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Keywords | イオン液体 / 電子顕微鏡 / その場観察 / イオンビーム / 電子ビーム / パターン形成 |
Research Abstract |
常温で液体の塩であるイオン液体は、真空下でも蒸発しない電解質である。よって、このこれを真空中に入れて、その中で反応を行うことができる。この興味深い性質を利用して、種々の電気化学および電子化学反応を行った。 1. 電気化学反応のその場電子顕微鏡観察:電子顕微鏡の真空チャンバ内に電気化学セルを入れ、金属析出反応を電子顕微鏡観察でその場観察できるようにした。標準的な反応として銀の電解析出を観察すると、析出電位により核生成、核成長が起こる場合と、デンドリマーの成長が起こる場合の両方を観察することに成功した。その手法を用いて、リチウム金属の電解析出反応も観察した。リチウム金属の電解析出は、金属リチウム負極を用いたリチウム二次電池を作製するときに必要な反応であるが、今まで、それを電子顕微鏡観察する技術が無かったが、本研究でそれを行えるようになった。 2. イオンビーム、電子ビームによるパターン形':イオン液体中に金属イオンまたは重合性モノマーを溶解させ、それをイオンビームや電子ビーム装置の真空チャンバの中に入れてその上からビーム照射を行うと、金属の析出または高分子の生成によるパターン形成ができることを見出した。金属パターンの析出は、両ビームで可能であるが、電子ビームを用いた方がより細かいパターンを形成できた。高分子析出の場合、3次元パターンを形成させることが可能であり、逆サヤやブリッジ構造のパターンも形成することができ、真空チャンバ内に液体を導入することの技術的価値を明確にすることができた。
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Research Products
(28 results)