2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17073016
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
片山 靖 Keio University, 理工学部, 准教授 (50286639)
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Keywords | 室温イオン液体 / 表面処理 / めっき / 銀 / 水素 |
Research Abstract |
1-ブチル-1-メチルピロリジニウム・ビス(トリフルオロメチルスルフォニル)イミド(BMPTFSI)イオン液体中における銀の酸化還元反応について検討を行った.交流インピーダンス測定より,銀(I)/銀の酸化還元反応の速度定数は水溶液中と比較して遅いことが明らかになった.また,銀の析出反応について硝酸銀水溶液とイオン液体とを比較したところ,同じ電流密度では水溶液中では板状の粗大な析出物が得られるのに対して,イオン液体中では小さな粒状の析出物が得られることがわかった.また,硝酸銀水溶液とTFSI塩の水溶液において銀の析出物を比較したところ, TFSI塩水溶液ではイオン液体と同様に小さな粒子状の析出物が得られた.これらの結果から, TFSIアニオンが銀の析出物の形態に影響を及ぼしている可能性が示唆された. いくつかのイオン液体における水素電極反応について検討を行った.TMHATFSI(TMHA^+=トリメチルヘキシルアンモニウム), EMITFSI (EMI^+ = 1-エチル-3-メチルイミダソリウム)およびBMPTFSI中における水素の溶解度は4〜6 mmol L^<-1>となり,水や有機溶媒中に比べて高いことが明らかになった.水素の拡散係数はこれらのイオン液体中における金属イオンのそれに比べると大きく,イオン液体の粘性の影響が小さいことがわかった.また,水素の酸化体と考えられるH(TFSI)_2^-の拡散係数はTFSI-の拡散係数よりも大きく,プロトンはH(TFSI)_2^-としてビーグル機構で輸送されているのではなく,ホッピングによって輸送されている可能性が示唆された.
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