2005 Fiscal Year Annual Research Report
国家的大規模プロジェクトにおける技術融合メカニズム
Project/Area Number |
17074001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野城 智也 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30239743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 照信 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80159128)
西本 賢二 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30361645)
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Keywords | プロジェクト型技術開発 / 超高層建物 / 技術融合 |
Research Abstract |
超高層建物建設プロジェクトを対象に、文献・図版資料収集、関係者への聞き取り調査をもとに以下の事項について分析を加えた。 1)プロジェクトのどのような独自条件がどのように技術的課題となり新技術開発を誘発要因したか。 2)その技術的課題はどのように特定されたか。それは、事前予測可能であったか。それは、どのような過程を通じて、どのように解決され、どのような新技術を生み出したか。その解決策が、新技術であったのは何故か。 3)プロジェクト組織の誰が、どのような貢献をしたか。その貢献内容は、契約上の役割とどのくらい異なったものか、事前予測可能であったのか。また、その貢献内容は、誰のどのような知識・ノウハウ・技能を基盤とするのか。このような技術開発過程の推進エンジンともいうべき促進要因は何であったか。 4)技術開発を可能ならしめた組織の柔軟性はどこから発するものか。どのようにして、どのようなコミュニケーションがとられたのか。イニシアティブは誰がとったか、それはなぜか。組織内の協調性はどこから生じたか 5)調査対象となった建設プロジェクトを通じて生み出された新技術は、その後、どのようにして類似属性をもつ建設プロジェクトにおいて用いられていったか。その展開過程のどのようなコミュニケーションの様態が直接的な媒介になったのか。 6)制度枠組を含め、何が展開過程の推進要因・阻害要因となったのか。 以上の分析を踏まえて、1)プロジェクト型技術開発に関与した主体の行動・態度とリーダー・まとめ役との関係性2)プロジェクト型技術開発をすすめるうえで基盤になった制度、知識保有・涵養のあり方(技術基盤)に焦点をあて、国家的大規模プロジェクトにおける技術融合プロセス及びその構造的促進・阻害要因にかかわる作業仮説を策定した。
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