2006 Fiscal Year Annual Research Report
国家的大規模プロジェクトにおける技術融合メカニズム
Project/Area Number |
17074001
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野城 智也 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30239743)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 照信 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80159128)
西本 賢二 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30361645)
|
Keywords | 大規模プロジェクト / 構成要素間相互依存性 / 技術知識 / プロジェクト組織 / 産業間比較 / 分業 |
Research Abstract |
初年度より一貫して行っている建築の大規模プロジェクトに対する分析における本年度の進捗は以下の通りである。 ・国家的大規模プロジェクトの事例として、建築計画・工事におけるターニングポイントとなった物件を対象とすることを前提とし、その上で、建築計画・工事を総括的に考えた場合、外部環境の一つである法規制が著しく変化したことによって可能となった超高層ビルの最初の計画であった「霞ヶ関ビル」を取り上げているものである。本年度行った文献等の調査、および当時の関係者からのヒヤリングにより、「霞ヶ関ビル」計画では、定期的に直接関係者が打合せ(建設委員会)を行うことに基づいた組織体制により、超高層建築に必要な技術的な知識を集積していった経緯があったことが把握できた。 ・上記の内容を、構成要素間の相互依存性の視点から分析したところ、各プロジェクトにおいて構成要素の徹底的な摺り合わせによって必要な知識を得ることができたことが理解された。また、それ以降の超高層建築計画に対して、「霞ヶ関ドル」で得られた知識の展開が成され、計画段階の組織体に変化が見られないことも調査で把握できた。 ・以上の建築の大規模計画の分析によって、計画段階での全関与組織の集合体の特性と技術知識の展開についての方向性が理解できたが、次の課題として個別の技術に焦点を当てる試考を行った。これは、展開されていった技術知識が、現在どのように個別の組織で培われているかを把握することが目的となっている。 現在、建築工事、設備工事の各関係組織を調査している段階であり、エレベータ業界など建築設備産業について分析を進めているところである。 今後、建築産業以外の他の産業をと取り上げ、比較を通した分析を進めていくものである。
|
Research Products
(5 results)