2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域の嗜好・文化に対応してきた技術革新過程のモデル化
Project/Area Number |
17074003
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 英則 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80213073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 剛士 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (90303693)
亀山 哲也 産業技術総合研究所, 中部センター, 産学官コーディネーター (10356826)
杉山 豊彦 産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門セラミック応用部材研究グループ, グループ長 (20357271)
島本 実 一橋大学, 商学研究科, 助教授 (20319180)
藤本 昌代 同志社大学, 社会学部, 助教授 (60351277)
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Keywords | 技術革新 / 文化 / 伝統 / 継承 / 産業関連 / 陶磁器 / 釉薬データベース / 日本酒クラスター |
Research Abstract |
本研究課題では,文明を知性が築き,文化を感性が築き,これらの相互作用の元に技術の発展がなされてきた点に着目し,「知性」と「感性」の関係に基づいて技術開発経験を体系化することを目的としている。平成18年度は,1)陶磁器の技術革新と2)京都伏見日本酒クラスターにおける伝統産業技術,に関して以下の研究を行った. 1)陶磁器の技術革新-セラミックの釉薬に関連する技術調査 釉薬の色は感性や社会背景との関連が強いと思われる。昭和40年代に名古屋工業技術研究所(現,産業技術総合研究所中部センター)により作成された1098件のセラミックカラーデータを抽出し,色相と明度の昭和40年代における色相と明度の特徴を研究報告と対応づけて整理する手法を確立した。この研究成果を第23回韓日国際セラミックスセミナーにおいて研究発表し,プロシーディングスを投稿した。また第2回国際シンポジウムにおいても研究発表を行なった。更に国立工業試験所の産業技術の技術革新等に果たした役割についても調査。解析を行い,論文として発表した。 2)京都伏見日本酒クラスターにおける伝統産業技術に関する研究 本研究は京都伏見酒造業を中心とした諸産業の連関構造から,本地域におけるクラスター継続のメカニズムを検証することを目的としている。2006年度では,2005年度に回りきれなかった関連業者および公的機関への聞き取り調査を行い,蔵元,原料生産者,流通業者,瓶,ラベル,種麹屋等々,どのような構図で産業が連関しているのか,また,関連がどのように変化してきたのかについて明らかにした。さらに2006年度では質的調査のみならず,京都伏見酒造業に就業する社員への意識調査を行い,産業連関とともに,その連関を成立させる人々の意識構造およびインフォーマルなネットワーク構造を量的データから分析した。
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Research Products
(6 results)