2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域の嗜好・文化に対応してきた技術革新過程のモデル化
Project/Area Number |
17074003
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 英則 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (80213073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 昇平 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (70311032)
中村 剛士 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (90303693)
亀山 哲也 産業技術総合研究所, 中部センター, 産学官コーディネーター (10356826)
杉山 豊彦 産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門セラミック応用部材研究グループ, グループ長 (20357271)
島本 実 一橋大学, 商学研究科, 准教授 (20319180)
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Keywords | 技術革新 / 文化 / 伝統 / 継承 / 色彩 / 陶磁器 / 釉薬データベース / 経験的学習 |
Research Abstract |
本研究課題では,文明を知性が築き,文化を感性が築き,これらの相互作用の元に技術の発展がなされてきた点に着目し,「知性」と「感性」の関係に基づいて技術開発経験を体系化することを目的としている。平成19年度は,1)陶磁器の技術革新、2)繊維の染色とその色彩感性に関して以下の研究を行った。 1)陶磁器の技術革新 機能と美の両方を併せ持つ、時代、風土及び文化と密着して発展してきた日本の陶磁器技術の技術革新を調査し(A)ワグネルによる洋式技術の導入・指導、及び万博への出展と動向調査、(B)石膏型成形法及び石炭窯の導入・普及(C)均質ならびに低コスト磁器の製造技術の開発を実現し、米国等へ洋食器を大量に輸出し、外貨を稼ぐことにより、わが国の経済発展の先導的役割を果たしたことを明らかにした。この技術革新の過程で作成された釉薬テストピース情報から技術開発の歴史と傾向を抽出することを目的に、釉薬データベースのデータを用いた統計的解析、テストピースと同時に制作された試作品に関するデータの取得、研究報告などからの研究活動の調査を行った。データベースを活用した解析では、文化や嗜好と関連性が高いと思われる外観色について解析を試みた。明度に関して若干の傾向が見られた。研究開発の背景などの調査を併行して開始している。 2)繊維染色とその色彩感性 人間の感性や地域性、時代性、社会心理性について統計的な解析や特徴抽出の可能性についてさらに深く調査するための基礎研究として、染色繊維を撮影した画像からその特徴を抽出するモデルとその特徴抽出方法の実現を試みた。この問題は、色彩領域分割問題に置き換えることができるため、ここではFCMアルゴリズムにラフ集合の概念を導入することで解決を試み、一定の成果を挙げている。
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Research Products
(8 results)