2009 Fiscal Year Annual Research Report
地域の嗜好・文化に対応してきた技術革新過程のモデル化
Project/Area Number |
17074003
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 英則 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (80213073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 昇平 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (70311032)
中村 剛士 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (90303693)
杉山 豊彦 産業技術総合研究所, サステナブルマテリアル研究部門セラミック応用部材研究グループ, グループ長 (20357271)
島本 実 一橋大学, 商学研究科, 准教授 (20319180)
藤本 昌代 同志社会大学, 社会学部, 准教授 (60351277)
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Keywords | 技術革新モデル化 / 感性情報 / 文化伝搬モデル |
Research Abstract |
本研究は、産業界で開発されてきた技術を、時代と共に変化ずる人間の感性・社会文化・経済の観点から研究して、普遍的技術と進化的技術を解明することを目的としている。 平成21年度は、まず、これまでに提案構築した理論モデルについて実験・評価を行いその考察を実施した。つぎに、陶磁器技術の技術革新については、国立研究機関が果たした役割と産業界の技術開発の歴史に関するこれまでの研究をまとめ、技術革新と社会の変遷について検討した。また、陶磁器試験所史の空白とも言える瀬戸試験場に関する資料を収集して調査し、本所の基礎的研究開発によって得られた技術を地場産業に移転、展開したと思われる瀬戸試験場の歴史と役割を研究した。釉薬データベースについては、その産業技術史的な面での価値を十分に保存しつつ、次世代の研究開発に活用できるように応用、整備を行うとともに、陶磁器技術革新の体系化の観点から調査に活用した。さらに、伏見日本酒クラスターに関する調査については、総合的な見地からまとめの作業を昨年度に引き続き実施した。これらに併行して、専門的職人技術者の知識・思考・判断方法の特徴抽出とそのモデル化について、遺伝子とミームを用いた人工生命エージェントによる人工社会シミュレーションモデル概念の導入について実験評価から考察し成果としてまとめた。その他,これまで進めてきた経済環境変化と企業の技術開発戦略の問題や、国の研究開発計画による技術革新についての調査について、とりまとめを行い、成果を書物にした。具体的には新エネルギーの研究開発についての事例を中心に、国と企業の関係を歴史的に明らかにする論文を完成させた。最終年の本年はこれまで行ってきたインタビューデータや数値データをとりまとめ、それを経営学の理論のフレームワーク(経営史・経営組織論)に基づかせながら、統一的な視点をもつ長編の記述にした。
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Research Products
(7 results)