2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17074008
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
清水 慶一 National Museum of Nature and Science, Tokyo, 理工学研究部, 研究主幹 (20154289)
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Keywords | 技術革新 / 知識基盤化 / 経験蓄積 / 重要科学技術史資料 / 技術革新の構造 / 学会との連携 / 放送大学 / オーラル・ヒストリー |
Research Abstract |
本特定領域は平成20年度に以下の実績を上げた。 【資料集積】 本領域と国立科学博物館との連携による20世紀の日本の技術革新経験の収集・分析・継承(保存)について一連のシステムが確立した。技術の系統化においては、本年度末までに、42の技術分野の調査研究を行い、その報告書の総ページ数は、2959ページとなった。オーラル・ヒストリーにおいては、科学者・技術者48名へのインタビューを行った。また、企業内資料は、凡そ13,000件の資料を集めた。 【整理・分析】 1).日本の技術革新の構造について分析を進めた。内容としては「技術革新の構造」では、日本における霞ヶ関ビル建設や本四架橋などの大規模プロジェクトにおいて、如何に摺り合わせが行われてきたかについて分析した。理工学的アプローチによる重点研究テーマと連携体制が確立した。「技術革新とリスク」では、安全管理のための法令等の制定により、日本では如何なる技術革新の状況が生まれたかについての分析を行った。 2).伝統と技術革新の関係については、様々な伝統技術分野での技術革新の状況を同一の指標で比較する研究が、個別研究を連携して行われた。 3).リサーチ・コミュニティーが形成された。 電気・機械・情報工学・化学・土木・建築などの工学系学会の技術史研究委員会等の分野横断的な連携体制を確立した。 【知識基盤化】 1).日本の技術革新体系化の取り組みを開始した。 体系化第一段階として、総括班が中心となり、放送大学での「日本の技術革新」の授業の準備と教科書作成を行い、放送が開始された。 2).重要科学技術史資料の登録制度を開始した。 本研究の成果を基盤にして、国立科学博物館は、構成に伝えるべき科学技術史上の重要な遺産として重要科学技術史資料23件を選定し、保存をはかる制度を開始した。
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