2007 Fiscal Year Annual Research Report
力学的刺激に対する細胞の感知・応答の分子機構と組織構築技術への応用
Project/Area Number |
17076002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 譲二 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 教授 (20159528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 希美子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00323618)
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Keywords | 血管 / 伸展張力 / ES細胞 / 平滑筋細胞 / 細胞分化 / 再生医療 |
Research Abstract |
生体の全ての臓器・組織に分化する能力を有する胚性幹細胞(ES細胞)は再生医療に用いる細胞の供給源として期待されている。しかし、ES細胞を特定の組織の細胞へ分化誘導する技術はまだ開発段階にある。我々はES細胞の分化を誘導する方法に力学的刺激を応用する研究を行ってきた。平成19年度は圧力変化による細胞の伸展刺激がマウスES細胞の分化に及ぼす影響について検討を行った。ES細胞から分離した細胞増殖因子受容体であるFlk-1陽性細胞に伸展張力を負荷したところ、細胞は伸展張力の方向と直角に配向するようになり、かつ増殖能が亢進した。伸展張力の強さ依存性に平滑筋マーカーであるSM-α actin,SM22a,SM-MHCの発現が増加し、一方、内皮細胞マーカーFlk-1は減少した。また、その他の内皮細胞マーカーFlt-1、VE-cadherin、血球系マーカーCD4、上皮系マーカーkeratinの発現は変化しなかった。こうした伸展張力による平滑筋細胞への分化誘導は増殖因子PDGFの受容体のリン酸化阻害薬で消失した。伸展張力はES細胞からのPDGFの産生を増加させず、PDGFの抗体で処理した細胞においても伸展張力によるPDGF受容体のリン酸化は生じた。これらの所見から伸展張力はFlk-1陽性のES細胞を特異的に平滑筋細胞へ分化誘導すること、その作用機序として伸展張力がリガンド非依存性にPDGF受容体をリン酸化していることが関わっていると思われた。
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