2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17076009
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
今中 忠行 Ritsumeikan University, 生命科学部, 教授 (30029219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 保 京都大学, 工学研究科, 助教 (10346083)
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Keywords | 超好熱菌 / 転写系 / 無細胞翻訳系 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
(1) T. kodakaraensis由来RNA polymeraseおよび基本転写因子であるTBPとTFBを調製し、鋳型DNAと共に反応させたところ、予想通りの長さの転写産物が得られたことから、本再構成系でも細胞内と同様にpromoter上のBRE/TATA領域が特異的に認識され転写が開始していることが判明した。さらにはsubunit Fが欠損したRNA polymeraseを調製しin vitro転写解析を行った結果、野生型と遜色がない転写特性を示すことも発見した(Mol. Microbiol. 2008)。 (2) T. kodakaraensis無細胞抽出液(S30画分)を作製し、これを用いてタンパク質合成反応を行った。その結果、40-80℃において活性を有するタンパク質が合成された。さらには本系の改良(S30画分の作成法の改良、反応溶液の構成成分の最適濃度の探索、および使用菌株の育種)により15分以内に100μg/mLのタンパク質合成量を記録した。この速度は、研究が進んでいる大腸菌の無細胞翻訳系での生産速度に匹敵し、細胞内におけるタンパク質合成速度に近い値と考えられる(J. Biotech., 2006)。 Type III Rubiscoの生理的役割に関して、T. kodakaraensis内でAMPからRubiscoの基質であるribulose 1, 5-bisphosphateを供給する2つの新規酵素を同定した。これらの酵素系による新規代謝経路は、生物界における新たな第5の炭酸固定経路の存在を示し、さらには植物の炭酸固定に関わるCalvin回路の成り立ちに関する重要な知見を与えた。これにより超好熱始原菌が生命進化の源流にいる存在であることが強く示唆された(Science 2007)。 現在、大型オペロンについて転写・翻訳系の確認を行っている。
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Research Products
(5 results)