2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17076017
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
本田 文江 法政大学, 工学部, 教授 (80343747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 一史 日本大学, 医学部, 教授 (50004677)
岩田 晃 日本生物科学研究所, 研究部, 主任研究員 (70193745)
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Keywords | インフルエンザウイルス / RNAポリメラーゼ / 細胞周期 / 感染応答 / 単一細胞 |
Research Abstract |
本研究はインフルエンザウイルスの増殖と細胞周期との関係を明らかにするという目的で昨年9月から開始した。インフルエンザウイルスは細胞に感染するとウイルスゲノム、ウイルスRNAポリメラーゼとRNA結合蛋白(NP)からなるゲノム複合体は核に移行し自身のゲノムの複製と転写を行い子孫ウイルスを増やす。ウイルスゲノムにコードされている一種類のRNAポリメラーゼにより異なる合成開始と構造をもつ2種類のRNAが合成される。この事実はRNAポリメラーゼが何らかの細胞因子との相互作用に依り構造一機能変換が起こった結果と推測される。インフルエンザウイルスRNAポリメラーゼは3種類の蛋白質(PB1,PB2,PA)からなる。各サブユニットと相互作用する宿主蛋白質を私達はすでに幾つか同定したがその中でPB1と相互作用する蛋白質PB1c45の解析を進めた。PB1c45は394個のアミノ酸からなり核移行シグナルを有する。抗PB1c45用い細胞内局在を調べると主に核内と核膜であった。また精製したPB1c45のポリメラーゼ機能への影響を解析するとRNA合成活性だけが特異的に阻害された。またリバースジェネチックス法でこの蛋白質を高発現させるとウイルス増殖は阻害され、RNAiで発現抑制をするとウイルス増殖は増大した。これらの結果はこの宿主蛋白質PB1c45はウイルスRNAポリメラーゼと相互作用しインフルエンザウイルスの増殖を阻害する蛋白質であることが明らかになった。この蛋白質は細胞の癌化を誘導する蛋白質ErbB3と相互作用することが明らかになった。またErbB3の発現抑制をするとPB1c45の発現が抑制されることも明かとなった。現在この現象を明らかにするための実験を行っている。またインフルエンザウイルスが細胞のどの周期を好むかを明らかにするために光りピンセットを用いウイルスを掴み一細胞への搬入操作を試みている。この試みは成功しつつある。
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Research Products
(4 results)