2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17078002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西澤 直子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70156066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 美智子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90345182)
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Keywords | ミネラル栄養 / 金属錯体トランスポーター / ニコチアナミン / ムギネ酸 / 環境耐性作物 |
Research Abstract |
植物は土壌中から必須栄養素である鉄、亜鉛、銅、マンガンなどの金属元素を根の細胞膜に存在するトランスポーターによって細胞内に取り込み、必要とされる部位に送り込む。金属元素は生体機能の維持に必須であると同時に、細胞内にフリーのイオンとして過剰に存在することが細胞に障害をもたらすという2面性をもっている。そのため植物は、トランスポーターを制御することにより、金属元素の吸収を厳密に制御している。イネ科植物はキレーターであるムギネ酸類を根から分泌し、土壌中の鉄を可溶化して「鉄・ムギネ酸類」複合体の形で細胞内に取り込む。我々はイネからトウモロコシの「鉄・ムギネ酸類」複合体トランスポーター(YS1)と相同性の高い18個の遺伝子(OsYSLs)を同定し単離した。これらの遺伝子は、「金属・キレート」複合体トランスポーターをコードしていることが予想され、そのうち、OsYSL2については「鉄・ニコチアナミン」と「マンガン・ニコチアナミン」のトランスポーターであることを明らかにしている。本研究では、それ以外のOsYSLsについてその機能を解析し、植物における必須金属栄養素の吸収、移行、分配の分子機構において「金属・キレート」複合体トランスポーターの果たす役割を明らかにすることを目的とした。本年度は、アフリカツメガエル卵母細胞を用いた電気生理学的手法と酵母の相補実験の手法を用いて、OsYSL15が「鉄・デオキシムギネ酸」を輸送するトランスポーターであることを明らかにした。OsYSL15は、細胞膜に局在する膜タンパク質であり、鉄欠乏のイネの根の皮層細胞に発現していた。根圏からの鉄の吸収に関与していると考えられる。
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Research Products
(7 results)