2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17078002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西澤 直子 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (70156066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 美智子 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (90345182)
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Keywords | ミネラル栄養 / 金属錯体トランスポーター / ニコチアナミン / ムギネ酸 / 環境耐性作物 |
Research Abstract |
・鉄欠乏遺伝子発現ネットワーク 必須元素である鉄の吸収と体内移行に働く輸送体遺伝子を単離しその機能を明らかにした。鉄栄養制御の分子機構において中心となる転写因子、IDEF1、IDEF2、IRO2を発見し、鉄欠乏応答遺伝子発現制御のネットワークの概容を明らかにした。鉄栄養に関与する遺伝子群を利用して多くのアルカリ土壌耐性イネを作出し圃場検定した。また貧血症改善に効果のある鉄含量の高いコメの開発にも成功した。 ・ニコチアナミン合成酵素の高発現による高鉄米の作出 ニコチアナミンは高等植物の鉄輸送に必須である金属キレーターであり、Sアデノシルメチオニンを前駆体として、ニコチアナミン合成酵素(NAS)によって合成される。ニコチアナミンの合成をイネで強化することで、イネの鉄輸送能力を強化し、鉄を種子に多く蓄積し貧血に効くイネを作出することができると考えた。ニコチアナミン合成酵素を高発現させたイネは、玄米のニコチアナミン濃度が10倍に増加し、白米の鉄濃度も2倍以上に増加した。 また、貧血状態のマウスに通常の玄米とニコチアナミン合成酵素高発現イネの玄米を与えたところ、後者の方がマウスの貧血症状をより効率よく改善させた。
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