2006 Fiscal Year Annual Research Report
浸透圧ストレス応答性トランスポーター遺伝子の発現機構と機能解析
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17078003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠崎 和子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (30221295)
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Keywords | ストレス / 発現制御 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
シロイヌナズナ22kオリゴマイクロアレイ解析より、強い浸透圧ストレス応答性を示すトランスポーター様遺伝子として、ERD6遺伝子ファミリーに属する単糖トランスポーター様遺伝子を見いだした。ERD6A、ERD6B、ERD6C、ERD6Dの詳細な発現様式を解析したところ、ERD6A、ERD6B、ERD6Dgは乾燥・塩または低温などのストレス条件下で強く発現誘導することが示された。また、リアルタイムPCRによる解析からERD6A、ERD6Bはストレスのない状態でも植物体の多くの組織で低いレベルの発現が見られることが明らかになった。 ERD6遺伝子の植物体における組織特異性を解析するために、プロモーター:GUS形質転換体を作製した。ERD6Aは高塩処理後に植物体全体に強い発現誘導性が見られたが、ERD6Bは維管束組織に強い発現誘導性が見られた。これらの単糖トランスポーター様遺伝子の植物体における機能を明らかにするために、変異体について解析した。ERD6AおよびERD6Bのノックアウト植物体は、寒天培地上では顕著な表現型を示さないが、土植え植物では抽だいの遅延が観察された。 乾燥・塩・低温ストレス下で強い耐性を示す転写因子DREB1高発現体を用いてマイクロ解析を行い、DREB1の標的と考与られるトランスポーター様遺伝子を明らかにした。その中で、低温ストレス下での物質輸送に重要な役割を持っていると考えられるCor413遺伝子ファミリーの発現様式を解析した。その結果、これらの遺伝子は塩・低温ストレス条件下で強く発現誘導されることが示された。また、GFPを用いた一過的発現系で、葉緑体または細胞膜に局在することが明らかになった。
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Research Products
(2 results)