2009 Fiscal Year Annual Research Report
浸透圧ストレス応答性トランスポーター遺伝子の発現機構と機能解析
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17078003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
篠崎 和子 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30221295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
刑部 祐里子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (50444071)
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Keywords | 浸透圧ストレス / 単糖トランスポーター / ジロイシン配列 / グルコース / ERD6 / ESL1 |
Research Abstract |
シロイヌナズナ単糖トランスポーター様タンパク質ESL1およびERD6についてGFP融合タンパク質を用いて解析し以下の結果を得た。ESL1は液胞膜、ERD6は小胞あるいは細胞膜上に局在した。ESL1のN末端ロイシン残基が液胞膜局在に必須であることを示した。ヒトの後期エンドソーム/リソソーム局在性グルコーストランスポーターGLUT8が同様の機構で制御されることから、植物と動物の類似のタンパク質局在の制御機構の存在が示唆された。液胞膜局在に必須のロイシンをアラニンに置換した細胞膜局在型ESL1およびERD6遺伝子について、タバコ懸濁培養細胞BY-2過剰発現細胞を作製し単糖輸送活性を解析した。ESL1およびERD6は低親和性の促進拡散型の単糖トランスポーターであることが明らかとなった。促進拡散型の輸送体の輸送の向きは基質濃度に従い、単糖は液胞内に高濃度に蓄積すると考えられていることから、ESL1は液胞内から細胞質への単糖排出能を持つと考えられた。 浸透圧ストレスによる液胞型インベルターゼ活性の上昇および、インベルターゼ遺伝子At β fruct3のストレス誘導性および発現組織特異性を明らかにし、浸透圧ストレス下においてAt β fruct3がESL1と協調して機能する可能性を示した。カリウムイオントランスポーターKUP6およびKUP8の二重変異体kup6kup8の側根形成はオーキシン高感受性であり、ABAおよびオーキシン輸送阻害剤NPAに対し非感受性を示した。KUP6高発現形質転換シロイヌナズナの成熟葉は水分損失が低下し、KUP6形質転換体は乾燥ストレス耐性が向上した。kup6kup8の気孔閉鎖時のABA応答性は低下し成熟葉の水分損失は増大していた。KUP6は植物の成長制御および浸透圧ストレス応答に機能すると考えられた。低温ストレス応答性遺伝子IM1、IM2、PM1遺伝子について、発現様式、発現の組織特異性、タンパク質の細胞内局在性を明らかにした。im1im2二重変異体の解析より、これらの遺伝子が低温時の光障害に関与している可能性が示された。
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Research Products
(11 results)