2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウム活性化型有機酸トランスポーターの分子機構
Project/Area Number |
17078007
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 孝行 Okayama University, 資源生物科学研究所, 助教 (60362985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 洋子 岡山大学, 資源生物科学研究所, 准教授 (50166831)
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Keywords | アルミニウム / リンゴ酸トランスポーター / 分子生物学 |
Research Abstract |
1.ALMT1蛋白質の機能:膜配向性の解析 アルミニウム(A1)活性化型リンゴ酸トランスポーターALMT1のA1結合領域などの蛋白質機能領域の解明のためには、膜タンパク質における膜貫通領域の数や親水性領域の配向性の解析が重要と考えた。そこで本年度は、コムギのALMT1タンパク質の膜配向性の解析を行った。ALMT1遺伝子を一過的に発現させたヒト培養細胞において、界面活性剤により細胞内に抗体が透過した場合にのみ染色がみられる揚合、この領域を細胞の内側と判定し、界面活性剤処理の有無にかかわらず染色がみられる場合は外側と判定した。その結果、ALMT1は6つの膜貫通領域を持ち、N末端およびC末端は細胞の外側に存在すると結論した。さらに、パッチクランプ法による電気生理学的解析を行った結果、ヒト培養細胞で発現させたALMT1タンパク質もA1により特異的に活性化されるアニオンチャネル活性を示すことが明らかとなった。従って、本研究で明らかとなったヒト培養細胞におけるALMT1タンパク質の膜配向性は、機能とリンクした正しい配向性であることが強く示唆された。 2.AMM1遺伝子の発現制御:上流配列によるA1耐性度の判定 昨年度、ALMT1遺伝子上流には6種の異なる繰り返しパターンが存在し、外国で育種されたコムギ系統では、配列の繰り返しの数がALMT1遺伝子の転写量およびA1耐性度と正に相関することを見出した。本年度はさらに179系統を用いてALMT1の上流の繰り返しおよび遺伝子配列のSNPとA1耐性とを比較した結果、必ずしもユニバーサルではないが、上流配列はコムギのAl耐性系統を選抜する分子マーカーとして有効であることを示した。
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