2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17078008
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
馬 建鋒 Okayama University, 資源生物科学研究所, 教授 (80260389)
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Keywords | ケイ酸 / イネ / トウモロコシ / トランスポーター / 根 / 輸送 |
Research Abstract |
1.トウモロコシのケイ酸トランスポーターの同定 トウモロコシのケイ酸吸収のkineticsを調べたところ、イネと同様飽和型の吸収パターンを示した。また、導管液中のケイ酸濃度は外液より数倍高かった。これらの結果はトウモロコシにもケイ酸吸収トランスポーターが介在していることを示唆している。そこで、イネLsil、Lsi6、Lsi2の相同遺伝子ZmLsi1、ZmLsi6、ZmLsi2をそれぞれクローニングした。その結果、いずれの遺伝子もアミノ酸レベルでイネと80%以上の高い相同性があった。アフリカツメガエルの卵母細胞を用いてケイ酸輸送活性の測定を行なったところZmLsilとZmLsi6はケイ酸の内向きの輸送活性を示した。これに対して、ZmLsi2は外向きのケイ酸輸送活性を示した。また部位別の発現量を調べると、ZmLsi1とzmLsi2は主に種子根で、ZmLsi6は主に地上部で発現していた。抗体染色で局在性を調べたところZmLsi1は根の表皮細胞にZmLsi2は内皮細胞に、ZmLsi6は葉鞘と葉身の導管周辺の細胞で発現していた。これらの結果はZmLsi1とZmLsi2が根からのケイ酸吸収に、ZmLsi6は地上部のケイ酸の分配に関与していることを示している。 2.イネのヒ素吸収におけるケイ酸輸送体の関与 ケイ酸吸収欠損変異体lsi1、2を用いてケイ酸輸送体のヒ素吸収への関与について検証した。水耕栽培による短期間のAs(III)吸収実験では、lsi1、lsi2変異株ともに地上部へのヒ素蓄積量が野生型の半分程度に低下した。またケイ酸の添加によって野生型のヒ素集積量は減少したが、変異体は影響を受けなかった。Lsi1を発現させた酵母とアフリカツメガエル卵母細胞はAs(III)の輸送活性を示したが、As(V)の輸送活性は認められなかった。これらの結果はLsi1、Lsi2がケイ酸だけでなくAs(III)の吸収にも関与していることを示唆している。
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