2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞情報ネットワークに介在するアティピカルG蛋白質群の生理機能の解析
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17079002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紺谷 圏二 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (30302615)
梶保 博昭 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (70401221)
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Keywords | シグナル伝達 / 生体分子 / 細胞・組織 / 遺伝子 / G蛋白質 / ゲノムプロジェクト / 染色体分離 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
G蛋白質は、上流からの刺激に応答してGDPの結合した不活性型からGTPの結合した活性型へとそのコンホメーションを転換し、下流へとシグナルを伝達する分子スイッチである。これまでに、三量体G蛋白質、Ras、Rab、Rho/Rac、Arfなどの低分子量G蛋白質、さらに翻訳因子群が同定され、それらは受容体から細胞内へのシグナル伝達器として、また細胞の分化・増殖、小胞輸送、接着・形態形成や翻訳の制御因子として多彩な細胞機能に介在することが明らかにされてきた。しかしながら、既存のサブファミリーには属さない機能未知のG蛋白質も数多く残されており、ゲノムプロジェクトの成果を活用してユニークな新規G蛋白質を単離・同定しその機能を解析することは、新しいG蛋白質シグナル伝達系の解明、さらにはG蛋白質の多様性と特異性の理解に貢献する。本研究では、三量体G蛋白質に関わるこれまでの研究成果を踏まえて、最近我々が独自に同定したアティピカルなGie(novel GTPase indispensable for equal segregation)、Di-Ras(Distinct subgroup of Ras-family GTPase)などの新奇低分子量G蛋白質群が介在するシグナル伝達系と生理機能について解析を進め、以下の知見を得た。1.Gieのノックダウンと同様に、染色体分離が異常となる相互作用因子として、RhoAと結合するNir2を同定し、さらに、GieとRhoAが競合してNir2と結合することを見出した。2.神経組織に特異的に発現するDi-Rasの過剰発現によって、カスペースの活性化を伴う神経細胞死が誘導された。3.線虫Gieのノックダウンにより、細胞分裂時間の遅延を伴う胚性致死の表現型を認めた。また、線虫のDi-Rasは神経系に特異的な発現を示し、ノックダウンによって個体の運動能が異常となる表現型を認めた。
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Research Products
(7 results)