2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞情報ネットワークに介在するアティピカルG蛋白質群の生理機能の解析
Project/Area Number |
17079002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堅田 利明 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紺谷 圏二 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (30302615)
福山 征光 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (20422389)
梶保 博昭 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (70401221)
齋藤 康太 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (60549632)
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Keywords | シグナル伝達 / G蛋白質 / Gサイクル / ゲノムプロジェクト / 小胞輸送 / リソソーム |
Research Abstract |
G蛋白質は細胞内のシグナル伝達系で重要な分子スイッチとして機能し、これまでに三量体型、低分子量型、翻訳因子群などが同定されている。これらのG蛋白質は、受容体から細胞内へのシグナル伝達器として、また細胞の分化・増殖、小胞輸送、形態形成や翻訳の制御因子として、多彩な細胞機能に介在することが明らかにされてきた。しかし、近年のゲノムプロジェクトの進展から、機能未知のG蛋白質が数多く存在することが明らかとなった。本特定領域の最終年度となる平成21年度においては、以下のアティピカルG蛋白質群について解析を進めた。 1.従来の刺激依存性GDP-GTP交換によるコンホメーション転換型とは異なるGTP結合待機型G蛋白質:Arf/ArlファミリーのArl8が、リソソーム形成や機能に必須の役割を果たすことを見出した。Arl8a及びArl8bのノックアウトマウスの作成を進め、ヘテロマウスの作出に成功した。神経ペプチドの放出に介在するDi-Ras2は、胎生期の脳では殆ど検出されないが、生後脳の発達時期と共に発現量が非常に上昇することを見出した。Di-Rasノックアウトマウスに関しては、Di-Ras1のキメラマウスを作出することができた。2.既知の低分子量Gドメインに加えて別の機能領域も有するマルチ・ドメイン構造型G蛋白質:N末端側のArfドメインに加えてC末端側にPro-rich配列を有するArll3が、繊毛の形成・維持に重要な役割を果たすことを見出した。C末端側のRab-GTPaseドメインに加えてN末端側にEF handとcoiled-coil領域を有するRab45は、そのcoiled-coil領域を介して多量化し、リサイクリングエンドソームの核近傍への集積化を制御することを見出した。
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