2005 Fiscal Year Annual Research Report
G蛋白質シグナルによる細胞構造改変プロセスの単分子イメージング解析
Project/Area Number |
17079004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 直樹 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80303816)
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Keywords | 細胞・組織 / 一分子計測 / 生体分子 / ナノバイオ / G蛋白質 / mDia / 細胞シグナル / フォルミンファミリー |
Research Abstract |
これまでの研究で、われわれは細胞の形態をアクチン線維再構築を通じて制御する低分子量G蛋白質Rhoの標的分子で、Forminファミリータンパク質の1つ、mDialを細胞内蛍光分子イメージングで観察することで、秒速2マイクロンの高速で分子移動を行うところが捉えた(Science vol.303,pp2007-2010,2004)。また同時に、われわれが見出したmDialの分子移動が細胞内のアクチン重合に伴っておきること、また、インビトロでの再構築系を用いミオシンモーターに依存しないことを証明した。この発見は、伸長を続けるアクチン線維の速い伸長端である反矢じり端に連続的に結合したまま、プロセッシブに移動する新規分子機構存在することを世界に先駆け見出し、証明する成果である。 引き続き本研究では、mDialを含むForminファミリーのアクチン重合駆動モーター的性質が生細胞内でどのように働くかについて、「蛍光単分子スペックル法」を中心とした手法によって解明を進めている。特に上述した論文において、外部から微量注入によって投与したリコンビナントのRhoタンパク質が、mDialの分子内の結合を解裂されるメカニズム(Watanabe et al. Nat.Cell Biol. 1999)によってそれを活性化し、アクチン線維端でのプロセッシブ分子移動を速やかに引き起こす現象も細胞内の観察により確認しており、その知見をもとに野生型である全長mDialのGFP標識体の分子運動を追うことで、Rho-mDialのシグナルの真の作用機構を細胞内で捉えることを中心に取り組んできた。現在までに、種々の細胞骨格の変化に伴い、野生型mDialが活性化され、分子移動を開始する像を捉えっつあり、新規のシグナル制御様式の存在を見出しつつある。その生化学的・分子機序的な性質について現在、検証を進めている(投稿準備中)。
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